山にコブシの花が盛りとなってきました。
通勤の途中の道沿いの街路樹のコブシも白く道を飾っております。
ここの道では800mほどの長くに街路樹としてコブシが植えられております。
コブシは庭や公園にも植えられることが多いですね。
山の草とか花とか虫とか-コブシ 街路樹

いつだったかに書いていたコブシとタムシバとハクモクレンの違いについて、こないだから改めて観察しておりました。
特に、コブシとタムシバは花の形がよく似ています。そのあたりについて見てみましょう。

最初にコブシ。
図鑑には、コブシは花被片(花弁とがく片が似ているようなもので両方あわせてこういう表現をします)は9つ、がく片は有毛、花のすぐ下には葉があると書いてあります。
花のすぐ下にはたしかに葉がありますね。
ところがこの葉は、つぼみによっては無いものも混じっており、ということはもしかしたらたまたまそういったものだけついてしまったコブシの木、というのだってありえなくはないので、これは間違いなくそうだ、ということにはならないかもしれない、という疑念がわきました。
山の草とか花とか虫とか-コブシ 花と花のすぐ下の葉

もうひとつの違いはがく片ですね。
がく片はコブシの場合には有毛と書いてありましたが、どうも毛は確認できませんでした。
図鑑の「有毛」はたいへんに微細な毛でも、有るは有る、ということになり、ルーペなどでかなり細かく観察しないとわからなかったりもするのでこれもあまりね、頼りにできなさそうですね。
山の草とか花とか虫とか-コブシ 花の下の葉とがくの様子

コブシのがく片は、ちいさくひょろっとしたのが花が開き始めるとくるんと反るようになっているのが多いようでした。
一枚上の写真のこれから開きます、という時期のものでは花弁にくっつくようでありました。
山の草とか花とか虫とか-コブシ がく片

図鑑には書いてありませんでしたが、違いがあるかなと思ったのは花芽の冬の毛皮でした。
これはコブシのものです。
山の草とか花とか虫とか-コブシ 花芽の覆い

今日の昼に行ったおそば屋さんのお庭にあったシデコブシ。
ピンク色に染まり、花被片がコブシよりもたくさんあり、八重咲きのように見えるほどです。
山の草とか花とか虫とか-シデコブシ

野生のシデコブシは、近畿地方の一角にかなり数が少なく分布しているものであるらしいのですが、その見た目の美しさ、豪華さからお庭に見かけたりすることもありますね。
山の草とか花とか虫とか-シデコブシ 花の下の葉

帰り道に撮ったコブシと夕暮れ近くになった空に月山。
コブシはこのように高く大きく育ちますね。
山の草とか花とか虫とか-コブシと田んぼと月山

ふう、これは長くなりますな。

ようやくタムシバです。
タムシバは昨日からようやく花の咲いたのを見かけるようになりました。
花のすぐ下にはちいさな葉がありません。
山の草とか花とか虫とか-タムシバ 花

がくは、というとこちらは無毛となっています。
花弁にそって少し緑がかったがくがすいっと伸びておりますね。
コブシよりもずいぶん大きく見えます。このつぼみでは花弁の半分ほどの長さがあるほどですね。
山の草とか花とか虫とか-タムシバ がく 開きかけの花

花の根元を見てみると、葉は開いておりませんが葉の芽はありました。
コブシの場合の多くには、つぼみのころからこの葉が開いているというわけですね。
山の草とか花とか虫とか-タムシバ 花の根元

結構違いがあるかも、と思ったのは冬芽の毛皮でした。
つぼみによりばらつきはありますが、タムシバの場合にはこんなふうにVの形になっているものがありました。毛皮はしっかり厚みがありました。
山の草とか花とか虫とか-タムシバ つぼみの覆い

あとは、最も違っているのは樹形であるように思います。
残雪のころに山の高めのところに行くと、雪の下に伏してコブシのようなふわふわの花芽が雪から出てきているようなのを見かけますが、それはもしかしたらタムシバかもしれません。
シバ、とあるようにそれほど大きくならない木なのでしょう。
あるいは、株立ちしたように生えているものも見かけたりします。
今タムシバが咲いているところではそれほど大きな株はなくコブシと比較できませんでしたが、林のなかにはらはらっと咲いており、コブシが木全体が白くなるほどの花付きであるのとやはり違いがあるように思います。
しかし、これはコブシの幼木であるかもしれないのもあって比較には使いにくいですね。
山の草とか花とか虫とか-タムシバ 山の中の花

タムシバの中にはちいさな甲虫の仲間がたくさんおりました。
別名にニオイコブシという名もあるように甘いにおいが香っておりました。(コブシも似たにおいがするのですが・・・)
山の草とか花とか虫とか-タムシバ 花の中の虫

なお、コブシとタムシバは、葉が付くと葉にも違いがあります。
葉の形も違うし、裏面の色合いも違います。
花の時期には葉がまだ広がっていないので葉の違いは花の時期に区別するのには使えませんけれど。
タムシバは、葉が(または花弁が)甘みがあり、これを噛んで遊ぶことから噛む柴(かむしば)、からタムシバとなったという名の由来の説があります。
葉が出たら味わってみることにします。

三つ目。
ハクモクレンです。
ハクモクレンは山には自生していません。
これはとある公園の一角にあったものです。
山の草とか花とか虫とか-ハクモクレン

今日は、コブシもタムシバもたくさん写真を載せましたから、それを見てからこれを見ると花のプロポーションの違いがかなりあるものだというのが見えてまいりますね。
山の草とか花とか虫とか-ハクモクレンの花みっつ

冬芽の覆いの毛皮。
山の草とか花とか虫とか-ハクモクレンのつぼみの覆い

手をそえてみると、かなり花が大きいのがわかるかと思います。
山の草とか花とか虫とか-ハクモクレンは大きな花

結構昔のことになりますが、とある本に、コブシとハクモクレンは似ていて、こういうふうに見分けましょうという文章があり、それを読んで、「ははあ、なるほど。では観察してみましょう」と裏山を探して回って、比較しようとしていたことがありました。
ところが、ハクモクレンは山には自生しないために、ぼくはコブシとタムシバをいくつも眺めては、これらの中にハクモクレンがあるに違いない!と意気込んでおりました。
その後に、公園や街近くのお庭でハクモクレンはこれかあ・・・。と知る機会があって、その時の印象は、コブシとハクモクレンはぜんぜん似てない。ということでありました。

これからだんだんと山にコブシとタムシバの咲くのが移動していきます。
これまで見ているなかでは、コブシは里の山に多く、ある程度高いところではほとんどがタムシバのように見ております。
木は一年間ずっと見ることが出来るものですから、この木はなんだろう?という時に、夏でも冬でもわかるようになりたいものですね。花の時期というのは短いもので、一度なるほどとわかったくらいではまだまだ入り口であるようなものかもしれません。
何度も何年も眺めては、自分で自分の認識の改訂版を作っていく、限りの無いことでありますね。

というようなことで今年のコブシとタムシバとハクモクレンの花の時期の観察記録は以上でございます。
昨日と一昨日は、最上川の眺めの良い山の公園へ昼に行っていました。

最上川のぐいっと曲がったところのすぐ下流側には大きな中州があります。
川岸のヤナギは早くも黄緑色の新緑の色合いを見せておりました。
ぼくは子どものころには、湖というのを見たことがなく育ち、海に浮かぶ島も見たことが無かったために、この最上川の中洲(中島というらしい)を見て、アーサー・ランサムの冒険の話に出てくるような島とはきっとこういったものであるのだ、と思っておりました。
山の草とか花とか虫とか-最上川 中島

あ、そうでした。
ここの公園では、サクラやコブシやスミレ(まだ載せていませんが)を観察していました。
それと、木々の間からヒューヒューと鳴く声。
ウソがいるようです。

ウソは声は結構聞こえるのですが、あまり飛んで回らない小鳥のように思っています。
木々の枝のなかを動くのを探してみていると、あ、いました。数羽でつぼみをついばんでいます。
ピンクというのか肌色というか、そういった色合いで、頭に黒い帽子をかむったような色合いですね。
山の草とか花とか虫とか-ウソ つぼみをついばむ

このウソは、夏には高山にいるということなのですが、寒い時期には里へ来て、木々のつぼみを食べています。
これは3月の下旬にサクラの木の下で撮ったもの。花芽の殻がたくさん落ちており、これらはウソがつぼみを食べたものの殻のようでした。かなり食べますね。
今年は、うちの近くでは果樹園のモモなどの花芽がかなり食べられた(かなり深刻だそうです)とのことで、害鳥としてつかまえられてしまったりもするそうです。
モモの生らないのも困りますし、ウソが捕まえられてしまうのもかわいそうなことです。
ウソが悪いわけでも、捕まえる方が悪いわけでもないのです。早くウソが山で食べられるものがなる時期になってくれれば良いなと思います。
山の草とか花とか虫とか-つぼみの食べ殻

あまりあちこち飛んで移動するということがないようで、同じ木の枝から枝にちょこんと飛んではつぼみを食べ、という様子でした。
えいやっ、と首を伸ばしてつぼみをつまんだり、
山の草とか花とか虫とか-ウソ 首を伸ばす

ぴょこんとすぐとなりの枝に移動したり。
山の草とか花とか虫とか-ウソ ぴょこんと移動

頭の黒いなかに、まんまるの瞳。鳥のなかでもかなりつぶらな瞳の部類ではないでしょうか。
山の草とか花とか虫とか-ウソ つぶらな瞳

毛並みが細かく、つるっとして見えます。
つぼみのちいさなころにはつぼみを食べていましたが、サクラの花もだいぶふくらむとふくらんだ花を選んで食べているようでありました。花のなかのおしべの花粉をくちばしにつけて黄色くしていたりしました。
山の草とか花とか虫とか-ウソ 背中

この小鳥は、どうも人をあまり気にしないようで、ぼくのいるほうの木へ移ってきました。
近すぎてピントを合わせるのが難しいほどでした。
山の草とか花とか虫とか-ウソ 近すぎ

ぽっこりしたおなか(もしかして卵が入っているのでしょうか?)。
これもまた可愛らしいですね。
山の草とか花とか虫とか-ウソ ぽっこりおなか

ウソ、という名前はちょっと風変わりですね。
嘘ではなく、鷽と書くのだそうです。
口に虚と書いて嘘ですが、もともとの嘘は、口笛を吹くことであったそうです。
ウソの鳴き声が口笛のヒュー、フィー、というのに聞こえるのでウソという名前になったとかならないとか。(これもウソでしょうか?どうでしょうね。)
山の草とか花とか虫とか-ウソ 逆光
家の前の土手にエンゴサクの仲間も見るようになってきました。
白いエンゴサク。
エゾエンゴサクであると思うのですが、エゾエンゴサクについては北海道に分布するのをエゾエンゴサクにして、東北にあるものはオトメエンゴサクとしてはどうか。という説もあるそうです。花茎が茎から出ているところにあるちいさな葉が切れ込みが無いのがこれの特徴であるそうです。葉も丸っこいですね。狭い範囲にいろんなパターンが見られる草です。
山の草とか花とか虫とか-エゾエンゴサク

フクジュソウは今が盛りとなりました。雪が遅くまであったところのものはまだ茎が出てきたばかりで短く、
山の草とか花とか虫とか-フクジュソウ

早くに雪が消えたところでは茎が伸びて長くなっていました。
山の草とか花とか虫とか-フクジュソウ 斜面に

たくさん、たくさん咲くんです。
山の草とか花とか虫とか-フクジュソウたくさん

うちのクリの林も雪が消えてきて、ここにはこれからキクザキイチゲとカタクリがみっちり絨毯のように咲きます。
山の草とか花とか虫とか-段々のクリの林

朝から晴れて、朝の陽射しが強いためか地面からの水蒸気が多いように感じました。
通勤の途中の景色もふんわりと春霞のかかるようです。
山の草とか花とか虫とか-通勤の道

振り返れば朝日連峰があって朝の陽射しと霞の柔らかさもあって優しい色合いの風景になりました。
家並みがあり、田んぼが広がり、その向こうで白い山が見守っているのですね。
なんと美しいところにぼくは住んでおるのだろうか。そういう気持ちになります。
山の草とか花とか虫とか-振り返ると朝日連峰

オクチョウジザクラは葉が広がり始め、
山の草とか花とか虫とか-オクチョウジザクラ

コブシの花にはヒヨドリが幾羽も集って花のどこかしらをついばんでいるようでした。
山の草とか花とか虫とか-コブシとヒヨドリ

このところは、仕事が終わると消防のそうほう(SOHOは、スモールオフィスホームオフィスのことだそうですがそれではありません)の練習があります。
操法と書くのですが、空手や剣道、柔道でいう型(かた)見たいなものでしょうか。
あるいは素振りみたいなものでしょうか。
武道の型も、球技などでの素振りもたいへんに大事なことですね。
子どものころに空手を習っていたころには、組手(実戦形式の試合)のほうが実用的ではないか、と思ったものですが、大人になってみると型のほうがほんとうはたいへんに奥行きがあるものだと思うようになりました。
いえ、武道のはなしではありませんでした。

その練習の後に撮った月。今宵の月は暈がかかっておりますね。これから少し雨模様になったりしそうですね。
山の草とか花とか虫とか-月の暈

そうそう、毎年のこの時期になると消防の演習があり、そのころには街にサクラが満開になり、そのちょっと後に「今まさに春が来たり!」という日がやってくるのです。