このところ、田んぼに行くたびに気になって観察していたものがありました。
今年の気になっているものは、おたまじゃくしと田んぼの中の草たちの様子です。

うちの田んぼにはたくさんのおたまじゃくしがおります。
これは10日ほど前の様子。昨日に載せたものは、それより最近の様子でしたから今はもうちょっと育っています。
山の草とか花とか虫とか-おたまの群れ

おたまじゃくしはたくさんいるのですが、いつもは水面の上から眺めていました。
観察するのにちいさな透明な入れ物(ホームセンターで調味料入れとして売っていた)を手に入れ、観察をしました。
まずは田んぼからすくいます。う~ん、ぷりぷりのぴちぴちです。
一緒に網に入っている粒々はミジンコです。
山の草とか花とか虫とか-おたま ぷりぷり

撮影はそうそううまいこといかなくて、ちょっと悪戦苦闘したのですがようやく横から撮れました。
ふむふむ、尻尾の様子から察するにニホンアマガエルのようです。
山の草とか花とか虫とか-ニホンアマガエル

そして正面からの口。
おお!なんて可愛らしい口をしているのでしょう。
ちょっと興奮してしまいました、口吻だけに。
これは透明な入れ物に入ってもらわないと見られない様子だと満足しました。
おたまの歯もしっかり撮りたかったのですが、やはり潰してしまうくらいに固定しないと撮影できないので諦めました。口のふちの黒い部分が歯であると思います。
山の草とか花とか虫とか-おたまの顔

さて、これほどたくさんのおたまじゃくしたち、なにを食べているのでしょうか。
カエルの卵は乾燥には強くないのでおたまじゃくしは、しろかきで田んぼに水の入ったところから、孵化して育ち始めるのだと思います。
そこから田んぼの中干し(イネの根っこをしっかりさせたりするのに水を入れないで田んぼを干す)までの期間にカエルになって山へ旅立たねばなりません。
うちでのしろかきは5月の中旬でした。そこから今は1月ちょっと。短い期間ですね。

見ていると田んぼの土に顔をつっこんだり、草にかじりついたりしています。
雑食性だそうで、食べられそうなものはなんでも食べようとするそうです。
水があっておたまのいるところは草が生えてきていません(背景にぽつぽつ見えるのは出たばかりの草の芽です)。水に浸っていないところには草が育ちつつあります。
山の草とか花とか虫とか-おたま 食事中

こちらのものはアオミドロのようなふわふわ浮いた藻類を食べようとしていました。
山の草とか花とか虫とか-アオミドロを食べるおたま

こちらではウキクサを追いかけるようにしきりに食いついています。
山の草とか花とか虫とか-ウキクサを食べるおたま

はむはむ。
山の草とか花とか虫とか-ウキクサを食べるおたま2

観察していると、とにかくずっとお食事中でした。短い期間でしっかり食べてカエルにならねばいけませんからね。

さて、うちの田んぼの水路にはこのアオウキクサがたくさん浮いています。
これがね、かなりの速度で増えるのです。
山の草とか花とか虫とか-水路

あまりに増えると水の通りがよろしくなくなるので時折掬って多くなりすぎないようにしています。
山の草とか花とか虫とか-水路のアオウキクサ

浮いている部分は、葉のようですが、実は葉でなく茎と葉のあわさった葉状体(めんどうなので以下は「葉」と記載します)というようなものであるそうです。
手で掬ってみるとぷちぷちと意外に肉厚(美味しそうなんですよね)で、葉の下側には一本の根っこが付いています。この根っこがですね、思った以上に長いものですから水路の水の通りがよろしくないわけです。
山の草とか花とか虫とか-アオウキクサ

水面下を横から見るとこんな様子でした。
この根っこ、育つにしたがってだんだんと伸びるのですが、栄養分の多い水(つまり汚い水)ではあまり伸びず、栄養分の少ない水(つまり綺麗な水)では長く伸びるそうです。
山の草とか花とか虫とか-ウキクサ横から

ところで、このちいさな葉、どんなふうにして浮いているものでしょうね。
ほかの水草などでは、茎の途中に空気の入った浮き袋があったりするのも多くあります。
水に沈めても、すぐに浮き上がってくるので不思議に思っていました。
透明な板に押し付けるようにして撮ったらこんなふうでした。
なるほど葉(ほんとは葉と茎)の中にスポンジみたいに空気が入っているようですね。
山の草とか花とか虫とか-ウキクサ 裏

上から見てみましょう。
大きな一枚から、ちいさなのが出てきています。これがもうちょっと育つと離れてまた別な株になるのですね。
一枚一枚がタネから出るのでなく、こんなふうに分離して増えるので増殖も速いわけですね。
山の草とか花とか虫とか-アオウキクサ 新しい葉のでかた
なお、写真中央ちょっと下の虫みたいなのはトビムシです。ミジンコと同じくらいのサイズでしょうかね。結構あちこちにおります。

この増えまくるアオウキクサ、ところが田んぼに入るとあまり増えていません。
当たり前ならばもっとね、増えるはずなんですよ。以前に水槽に入れていたらちょっとみないうちにすごい数になった想い出があります。
これは、おたまじゃくしたちが、毎日毎日食べるものだから増えないのでないのか、と思っているのでした。
アオウキクサは、田んぼで増えすぎると光が土に当たらず水温があがらないとかそういったこともあるようです。
山の草とか花とか虫とか-田んぼのアオウキクサ

ほかのおうちの田んぼをよく観察するというのはなかなかできないのですが、道沿いの田んぼの様子が気になって見たところがありました。
結構多く見られるのが、このアオミドロみたいなのがびっしりの田んぼです。
ここではおたまじゃくしはちょっとはいるけれどそれほどには多くないようでした。
山の草とか花とか虫とか-アオミドロの増えた田んぼ

田んぼの除草は、田んぼの土を攪拌したりします。
おたまじゃくしたちは、たいへんこまめに攪拌しておりますね。それとタヌキたちの足跡(おたまじゃくし狙いでしょう)もたくさんあり、それもかなり攪拌になっていますね。
不思議に思うのは、タヌキたちが歩いても、イネの苗は倒れていないのです。ほんとに不思議。
ぼくは個人的には、田んぼにもいくらか草があってもそれほど背が高くなってしまわなければさしつかえないだろうと思っていました。イグサやヒエなどは多くなると収量に影響するのでそれはとらないといけませんけれどもね。アゼナやコケオトギリやハシカグサがあるからなにか影響があるのか?というとあまり無いようです。
それでも、たとえば今日出てきたアオウキクサやアオミドロの類が増えて薬を使う例もあるようです。

一昨日のこと。
今年初の卒業生です。まだしっぽはちょこっとついていますね。
山の草とか花とか虫とか-ちいさなカエル

おたまじゃくしが田んぼの草取りを手伝ってくれている、というのはちょっと早計なことですが、卵からカエルになるくらいまでの分量は草を食べているというのはたしかなことです。
ぼくは草も好きですから草があって困るわけではないのですが、同じ種類の草がたくさん生えすぎてお米がとれなくなるのは困ります。
ぼくがお米を食べないと、おなかが減って次の年には田んぼができないかもわからない、そうしたら田んぼの草たちも生えられないし、おたまじゃくしも住処がなくなります。どなたも同じなのは田んぼがあったほうがよいね、というようなことです。
カエルになってこれからは、田んぼのちいさなブヨやヌカガを食べることでしょう。
おたまじゃくしたち、可愛いだけでなく、しっかりお手伝いしてくれていたんだなあと思っている今年の田んぼの様子でありました。
山に行ったおはなしを書いている間にすっかり雨の季節になりました。
いまのところ、ちょうどよいくらいの雨の降り方になっていてたいへんにありがたいことです。
空には雨の季節らしい雲、その向こうに柔らかな色合いの青空。
山の草とか花とか虫とか-雨の季節の雲

田んぼにもそのように映っておりますね。
山の草とか花とか虫とか-田んぼに映る青空

おたまじゃくしたちは、かなり大きくなりました。
そしてなんとまあ、たくさんいることいること。
ほかの田んぼの様子がわからないのですが、うちの田んぼにはとにかく無数のおたまじゃくしがいます。
山の草とか花とか虫とか-オタマジャクシの大群

田んぼの畦には、アゼムシロが花をたくさんつけています。
これを見ると、こりゃあやっぱりアゼムシロだろう、と実感がありますね。
山の草とか花とか虫とか-アゼムシロ

ほかのおたまじゃくしの育っていく中、生みつけられたばかりの卵もありました。
これはシュレーゲルアオガエルの卵です。
水のなかに産むのでなくて水辺のふちなどに泡に包まれた状態で産卵します。
これから7月に入るくらいには田んぼを一度干してイネの根をしっかりさせないといけないのでちょっと時期が遅かったでしょうか。大丈夫かなあ?
山の草とか花とか虫とか-シュレーゲルアオガエルのたまご

田んぼには昼にはカラスが、朝夕にはタヌキが通っています。
タヌキの足跡はほんとに多くびっしりと田んぼに残されています。
カエルの卵やおたまじゃくしを狙っているのでしょうね。
山の草とか花とか虫とか-田んぼのタヌキ

雨の季節になるころに実るキイチゴのモミジイチゴ。
枝の先のほうからだんだんと熟しています。
山の草とか花とか虫とか-モミジイチゴ

モミジイチゴは、酸味があまりなくあっさり爽やかな甘さ、淡い香りがあります。
山の草とか花とか虫とか-オレンジのキイチゴ

雲がオレンジ色に染まる夕方には、
山の草とか花とか虫とか-夕焼け空の雲

田んぼの水面にも同じような空が映っております。
山の草とか花とか虫とか-夕方の田んぼ

イネたち、もう苗とは呼べないくらいに育ってまいりました。
山の草とか花とか虫とか-育ちましたね

茎、ずいぶん太くなり、本数も増えました。
10日ほど前にはこんなふうでした。6月12日「田んぼの草と虫の風景
田んぼには毎日、朝と夕方に行きます。
何度も訪れて見ているとちょっとずつ、ちょっとずつ育っています。
ちいさいけれど確実なしあわせ、こういうのがひとつの形なのだろうと思っております。
畑場峰の分岐からおばさまの登山口へはブナの美しい尾根を下って行きます。
こんなふうな道、良いんですよね。
昨年の落ち葉のそれほど踏まれていない様子からも静かな道であるのがわかるようですね。
山の草とか花とか虫とか-ブナの尾根続く

尾根の道を行くとやがて幹の途中でもさっと分岐した太めのブナが目につきます。
ここからは沢へ、えいやっと下って行きます。
山の草とか花とか虫とか-下りの目印

ここからがちょっと急なところがあります。
登りであえいでいた方もあったところです。
雨の日などはよく転ぶので注意しないといけません。
そろりそろりと降りている様子ですね。
山の草とか花とか虫とか-急なんですよ

ふと、なにかがブブブっと飛んできて足元に着陸しました。
山の草とか花とか虫とか-オオセンチコガネ

おお!これはオオセンチコガネです。
青っぽいの、緑っぽいの、赤っぽいのといろんな色の光沢のものがあるようですが、このときのものは新しい10円玉みたいな色合いでした。
オオセンチコガネはいつ見つけても嬉しい虫です。
動物のふんや死骸を食べているのでそういったところにいるものは、そのままつまんだりは出来ないものですね。(出来なくないですが、そのあとにおにぎりを食べたりするのに若干気になります)
山の草とか花とか虫とか-オオセンチコガネ手の上

みんな無事に(二名ほど転びました)下って、沢のところへ行き着きました。
このルートの上部は、こんなふうに沢のなかを歩くところがあり、下から来るとどこが道だか踏み跡のないところがあります。
山の草とか花とか虫とか-沢の道

しっとりとした沢沿い。良いですねぇ。
もうちょっと季節が進むと、アブや蚊でのんびりもしておられなくなりますけれど。
山の草とか花とか虫とか-ちいさな沢

沢をいくつか渡って帰ります。
山の草とか花とか虫とか-沢を越えて

沢はちいさな沢同士で合流するたびにだんだん水量が多くなります。
ちいさな川、くらいの太さになるころには歩くとイワナが淵から物陰へしゅっと隠れます。
「あそこにイワナがいたよ」なんてみんなで眺めたりしながら歩きました。
山の草とか花とか虫とか-イワナがいた


ブナの尾根から下るとサワグルミやオオカメノキやキハダなどになっていた沢沿いの木々はスギの植林に変わり、そこからもうちょっと進むとゴールが明るく見えてきました。
帰りはだいぶのんびり歩きました。帰り着いて16時40分ごろとなっていました。
山の草とか花とか虫とか-ゴール

下山後に、お別れの挨拶をしたり、汗をふいたりしながら、付近のモリアオガエルの産卵してあるところを見に行きました。
たくさんの白い卵の塊が産み付けられていました。
まわりからはコロロコロロと鳴き声もします。
山の草とか花とか虫とか-モリアオ産卵

いるかな?どこにいるのかな?と探してみると一匹だけ見つかりました。
田んぼにいるシュレーゲルアオガエルよりも大きめでがっしりした感じがあり手の指の吸盤も立派です。目の瞳の周りの部分が、ほんのちょっと赤味がかっているところもシュレーゲルと違うと図鑑にありますが・・・微妙です。
山の草とか花とか虫とか-モリアオガエル

というようなことで、2013年の山開きのおはなしはこれにておしまい。