■隠れた住宅ローン問題
2023年の年明けには、住宅価格高騰と住宅ローンの固定型金利の引上げで住宅市場には逆風が吹く。
ただ、住宅ローン残高は過去最高だが、住宅ローン契約者の毎月の返済額は減っていない。
住宅購入時に自己資金(頭金)ゼロでも高額な住宅を購入でき、住宅ローンは変動型を選択している事が背景にある。
変動型は金利上昇すれば返済額が膨らみ住宅ローン破綻になるリスクもある。
住宅金融支援機構によると、個人の住宅ローン残高は2022年3月末で211兆円と過去最高を更新した。
10年程前から続く不動産価格上昇と、20年以上続く住宅ローン金利の低さが要因となっている。
2022年の新築マンションの平均販売価格は5121万円と上昇しており、首都圏は6288万円とバブル期を超えている。
住宅ローンを組んで住宅購入する人の“頭金ゼロまたは1割”が合計で44%あり、30代に限ると“頭金ゼロ”が39%で“頭金1割”が27%で双方で65%以上となる。
理由として『住宅ローン減税のメリットを最大限に利用したい。』『頭金を貯めていると購入が遅れ住宅ローン完済時に高齢者になっている。』『物件価格高騰で待っていても安くなる状況にない。』などの事情がある。
住宅ローンを貸す金融機関も“頭金ゼロでOK”“金利優遇キャンペーン”“保証金ゼロ”などの顧客を引き付ける。
住宅ローンは固定型の金利は引上げているが、変動型の金利は横ばいとなっている。
銀行の基準金利は店頭で2.475%となっているが、優遇の適用金利は0.3%~0.4%と1%より低く、住宅ローン申込者の9割が変動型を選択している。
住宅ローン減税の高待遇も問題となり、住宅ローンの年末残高の1%が控除されるため、変動型の0.5%前後で借入すれば0.5%の逆ザヤとなり得をする事となる。
高額給与者で高価格帯の住宅を購入し100%近い住宅ローンを組めば、10年近く年間数十万円の所得税がほとんど返ってくる。
この問題を受け政府は2022年より税制改正を行い、控除率は0.7%に引下げ、繰上返済を促すため年間残高上限も一般住宅で2023年までに入居すれば4000万円から3000万円に引下げた。
若年層でも低金利を背景に長期間の住宅ローンを組み、負債額が大きくても月々の返済負担を抑える事ができた。
銀行も住宅ローンを長期間に渡り借てくれる顧客は長く付き合え、その期間に保険や金融商品の販売促進ができるメリットがある。
日本の住宅ローン延滞率は世界に比べると低く、低金利で貸してもきちんと返済さえすれば問題はなく金融機関に危機感はない。
知らんけど。
【俺の経済新聞 2023年3月20日】
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