第6回静岡リーグ決勝 | 望月雅継オフィシャルブログ「プロ連盟静岡支部長の負けちゃう麻雀」Powered by Ameba

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日本プロ麻雀連盟静岡支部長 望月雅継の麻雀日記

地方から東京へ夢を乗せて参戦中!!

AⅠリーグから静岡リーグ、静岡支部Lookupでのフリー対局まで、対局日記を中心に綴ります。

夢なんかも語っちゃおうかなぁ~。

昨日は、静岡リーグの決勝&マスターズ静岡予選の運営でした。


日程の都合上、2つの大会を同時刻、同会場で行うといったムチャな運営でしたが、参加して頂いたみなさん、スタッフ、お疲れ様でした。


マスターズ予選のほうは、参加人数も少なかったのですが、私が静岡リーグの決勝に参加しているわりにはスムーズに進みましたし、マスターズ予選終了後は参加してくれた方々が決勝戦のギャラリーとして観戦していただいたので対局者としては心地よい緊張感で対局することができました。


さて…


話は本題に入ります。


以前もここで紹介しました静岡リーグ。

第6回の決勝が行われたわけです。

過去5回、毎回決勝に進出しているわけですが(まぁ、奇跡に近いんですけど…)

過去の成績はというと…

優勝、4位、5位(足切り)、3位、2位

と、不名誉なことにすべての着順を経験してしまいまして…


予選は強いけど決勝は弱い望月クン

との名前を頂いているとかいないとか…


したがって今回の決勝ではぜひとも優勝したい、というか優勝しか考えていませんでした。


※注

静岡の決勝戦は予選順位ごとにハンデポイントがつきまして、1位40p、2位30p、3位20p、4位10pのポイントがつきます。したがって予選1位通過の望月には開始時から40pものハンデがつくわけです。


ハンデのこともありますし、来期よりAⅠになることもありまして、ここで負けたら他のAⅠリーガーの方々に対して申し訳ないというか、やっぱプライドみたいなモノも感じてたんですね。

最近は特に、『連盟のAⅠ』というものの重みを強く感じるようになりまして、麻雀だけでなく、態度や言動、そしてプライベートも含めて襟を正さなきゃなって思ってます。


麻雀に対して夢を抱くものたちの良き模範でなくてはならないのではないか?

勝つことだけでなく、その所作や雰囲気をも

見ているものに衝撃や感動を与えなければならないのではないか?


そう思えば思うほど、この『静岡リーグ』は勝たなければならないのではないかと、

自分には大きなプレッシャーとなっていました。


特に今回は、プロが3人、アマチュアが2人と、タイトルがアマチュアの方に流出する危機


前評判の高い方が決勝に進出してきたため、かなり気合いの入った対局となりました。


決勝進出者は…


一位通過から、

望月

二度目の決勝で悲願の優勝を目指します

CⅡリーグ所属

鈴木郁孝プロ


優勝賞金は子供のミルク代に…

同じくCⅡリーグ所属

鈴木勉プロ


初出場で決勝進出の快挙

名古屋のみんなの期待を一身に背負います

野間口慎さん


自他共に認める麻雀オタク

5度目の参加でついに決勝の椅子を射止めました

白井健夫さん


の5名です。


マスターズ予選開始の挨拶をしたあと、ついに決勝がスタートです。

が、一回戦は抜け番のため、マスターズの運営をしてました。


試合はあまり見ていなかったのですが、

一回戦は5位スタートの白井さんが大爆発

5万点越えのマルAスタートで一気に首位に肉薄です。


そして私の出番です。

開始早々から手が入りまくるもののことごとく競り負け、すべてツモられる最悪の試合展開でノーホーラ。

ハンデをすべて使い果たし4位に転落


意気消沈していると、

ここで空気を読めない今日の運営古橋崇志プロから、

「ラスを引いてどう思いますか?」

との質問が。

どうやら連盟HPにのせる観戦記の記事にしたい模様。

腹の中では、

「どうもこうもあるかいダメに決まってんだろっ

と、思いつつもここは大人の対応。

「これで、足きりか優勝かどっちかだね」

と優等生発言。


とはいったものの、きちんとした対応をしてくれる相手がアマの野間口さんだけ。

ラフファイトになりかかった試合展開を打破する術が見当たりません。

事務所に入り、一人頬を叩いて気合いを入れなおし、とにかく丁寧に、冷静に対局することを心がけました。


迎えた3回戦東2局


配牌は可もなくといった感じからツモが伸びて6順目、


七九1235678①①⑦⑨ ドラ九 ツモ⑧ 打5


一手変わりジュンチャン三色の役なしテンパイから次順ツモ9。

9は二枚切れだったので期待もせずにいたんですが、ラッキーって感じで打6.


自然なハネ満テンパイの喜びもつかの間、ツモ九。

①は場に一枚。九は出てません。


これはワナなのかな…?


と思いつつもツモ切りした次順、野間口さんから八が。


…終了後、白井さんから、

「完全にチャンタ系のテンパイ気配が出てたんだけどね」


と言われちゃいましたが、ガードが一番固いと思っていた野間口さんから出アガリできたってことは少しは上向きなのかな。と。


…野間口さんとの出会いは3年くらい前になるのかな?


中部本部時代の先輩大高坂松城プロから、

「名古屋にぜひ一緒に打ってもらいたい強い人がいるんだ。」

とのこと。

そこに現れたのが野間口さんでした。

何度かお手合わせさせてもらいましたが…

確かに強い。

すごく丁寧でスマートな感じの打ち手だなぁと。

私とはタイプが異なりますが、対局しながら会話のできるタイプの人だなぁとの印象でした。


時が経って…

前回の静岡リーグ。

彼を師と仰ぐ名古屋の若手たちがそろって参戦。

結果は…言いませんが、

そこで、野間口さんが参加してくれることとなったんです。


今回も予選道中貫禄の勝ち上がりで、最終節こそ苦しんだものの余裕の予選通過。

締まった競りの展開なら必ず彼が勝負に絡んでくると思ってました。

ですから、逆に彼を苦しめるような展開になれば勝機は十分自分にあると。


そんな野間口さんからの直撃。

彼がショックを受けているのもわかりましたし、それならまだ神様も俺を見捨てちゃいないなって。


ただ、まだまだ自分の状態は上向きにはなっていないわけですから、ここは必死のディフェンスです。

守るのは得意じゃないとはいえ、さすがに決勝ですもん、集中しますよね。

逃げ回る亀になりながらもここは意地のトップで終了です。


続く4回戦、首位をひた走る白井さんが5回戦の抜け番なので、ゲームプランとしてはここで白井さんを沈めなくてはいけません。

その上で自分がトップを取る。

簡単なようでこれが意外と難しいんですよね。


でも展開が味方します。

こつこつとアガリを積み重ねる望月とは対照的に、ここまで比較的おとなしかった鈴木(郁)プロが、白井さんから何度も直撃。

白井さんがダンラスのまま、私と、鈴木(郁)プロとの競りあいでオーラスへ。


「二着でもいいからこのまま終われよ…」


そう思ったのがいけなかったのでしょうか。

オーラス親番の鈴木(勉)プロが今度は爆発

4000オールを皮切りに、私から7700は8000をあがります。


「またやっちゃった…」


ここで後悔しても遅いですよね。

連荘は続き、なんと鈴木(勉)プロがトップ。私は沈みの3着。


ここまでの並びがハンデポイント込みで、

鈴木(勉) 54.4P

鈴木(郁) 34.7P

望月    19.8P

白井    16.9P

野間口   ▲25.8P


白井さんが抜け番なので…

最悪プラスで終わんないといけないんです。足きりにかかっちゃうかもしれないんで。


野間口さんの巻き返しも怖いですし…

なにより首位と30Pはなれてしまっているので、最低でも差を詰めたいところです。


そしてはじまった5回戦、東2局、これが勝負の決め手となりました。

6順目の牌姿です。


②②④⑤⑤⑨⑨456TNN ツモ⑤


から打5。

そしてこれが、


②②⑤⑤⑤⑨⑨NNN ポンTTT ツモ⑨


の8000オールにまで変化するんです。

(詳しくは観戦記に載ると思うので…)


一気に順位点込みで大マクリ


なかなかできないアガリだったので、のちに牌譜検証してみようと思っているのですが、

自分は楽になりましたし、また周りに衝撃を与えられたという点でも価値のあるアガリとなりました。


この半チャンはさらに点数を上乗せし、49.1PのマルA トップ。

ついにこの日初めての首位に立ったのです。


足きり後の最終6回戦。

勝負はもうついた感がありました。


そして、最終局、意外な役なしテンパイからのホウテイのみでゲームセット。


点数的には圧勝と思える差だったとしても、今回の優勝ほど『ホッとした』勝利は過去になかったですね。

苦しかったし、辛かった。

でも、今までの経験と、プライドと、自信が結果につながったと思ってます。


…こうやって静岡リーグの決勝の内容を綴ってきたわけですが、書く前から思い続けてきたことをひとつ。


私は勝っても負けてもその結果をこのような記録に残したいわけではありません。

勝って書けば驕りになるし、負けて書けば言い訳になるし…


そこにある人間模様というか、戦っている人たちの気持ちや想いを伝えたいんですね。


同様に、

今、巷で言われているような戦術論や、論争も持ち込むつもりはありません。


麻雀が大好きで、それにすべてを注いでいるバカな俺たちの

無駄だと思われるような活動の指針にしたいんですね。


麻雀が世に認められる日はこないのかもしれない。

現実的に考えればそれが妥当な意見だとも思う。

麻雀プロだと大手を振って街を闊歩できる時代も恐らくこないんだろう。


でも…


その可能性がたとえ1%でもあるのならば、

私たち麻雀プロは、遠くに見えるわずかな光にむかって進まないといけないのではないか。


ダメだダメだとやる前から言うよりも、

たとえ理想論だと周りから言われ続けても、

私たちの後に続く者のためにも、

それぞれが思い描く理想郷に向かって進み続ける道を選びたい。


私はそう思っている。


そんな想いがあるからこそ、

今回の勝利は価値のあるものだったと思う。


たかがちっぽけな地方リーグだという人もいるのかもしれない。


でもそこにも数々のドラマがある。


その事実を伝えることのできる人間になりたいし、

そんな人間味のある麻雀プロとして活動していきたいんだよね。


生意気だけどさ