浮かれすぎた私と、現実に気づかされた日

夫の離婚宣言を受け、少し気が早いかもしれないが、部屋探しを始めた。

義両親が帰ってくるまでの2週間。
時間を無駄にしてはいけないと思った。

夫の気持ちを考えると自重すべきなのかもしれないが、限られた時間の中で今後の準備を進める必要があった。

先輩にもざっくりと事情を説明し、今後の展望も語った。

地に足がつかないとは、まさにこのこと。
そう、私は浮かれていたのだ。
浮かれすぎて、何でも上手くいくような気になっていた。

でも、『すべて思い通りになる』というのは、ただの錯覚に過ぎない。
現にまだ離婚届には判を押してもらえていなかったし、離婚宣言の後、夫とは連絡も途絶えがちだった。

根が楽天的な私は、連絡が来ないのも良い兆候だととらえていた。
執着が薄れているのね、と。

それを聞いた先輩は、
「ちょっと楽観視し過ぎてるね」

そう言われて、ギクリとする私。
これまで何度も同じ失敗を繰り返してきたのに、何も学習できていなかったのだ。

先輩の指摘で、ようやく今後のことを落ち着いて考え始めた。

その時、ふと思った。
先輩は夫なんかより、はるかに私のコントロール方法を分かっている。
もし夫の中身が先輩だったら、上手くいくのに――。

力でねじ伏せて圧力をかけてくる夫のやり方では、遅かれ早かれ関係は壊れていただろう。
あれはただ、タイミングの問題だったのだ。

一緒にいても心が通じ合っている気がせず、むしろ、どんどん遠くなっていくような気持ちだった。

 

部屋探しのワクワクと不安

部屋探しで最も重視したのは、学区と環境だ。

もちろん、家賃も大事。
「それだと全部じゃない?」と思うかもしれないけれど、駅からの距離や築年数はある程度妥協した。
水回りがきれいで、室内もそこそこなら許容範囲。

子どもが快適に暮らせれば、それで良いのだ。

早速いくつかの候補を見つけ、ネットから問い合わせをすることにした。
まだ離婚が決定したわけではないのに、少し早すぎるかもしれない。

でも、こういうことはタイミングが大事だ。
以前、部屋探しをしていた時、理想に近い物件があったのに、動きが遅くて他の人に決まってしまったことがあった。
その失敗を繰り返さないためにも、まずはコンタクトを取ろうと思った。

私たちの未来のために動いている感じがして、部屋探しはとても楽しかった。
楽しすぎて、時間が経つのも忘れて検索してしまった。

ただ、問い合わせの際に「母子家庭」と伝えるべきかで少し悩んだ。
そこに暮らすのは私と子どもで、夫はいない。
だからシングルマザーとして伝えるのは正しいのだけど、その時点で離婚届を出せているかも分からなかった。

そもそも、シングルマザーに部屋を貸してくれるのだろうか。
世の中には、母子家庭というだけで快く思わない人もいる。
そんな世間と闘う未来が見えた気がして、少しだけ怖くなった。