初めて行った時のことを、ハッキリとは覚えてないけど
大学の先輩の、”ノリさん(ジリリタというバンドをやっていました)”に連れられて
「名古屋のディープな居酒屋なら、ここを知っておけば大丈夫」的なことを言われて、ついてったら
暖簾をくぐるやいなや、ジロリと睨まれた(気がした)。


それまで飲み屋に1人で行くってことはしたことなかった。
?大体なんかの打ち上げとか、打ち合わせとか…)

新栄時代のゴリコと、きてみてやで
1人飲みの楽しさを覚えたといっても過言ではないな。

ゴリコは遅い時間に行くとゴリさんはいなくて、他の誰かが店番してたりとかして
きてみてやにいけば、絶対、稲さんが
タバコをふかしながら時代劇を見てたりとかしてて。
良いの?って聞くと、「別にええよ」って
素っ気ないけど、いつも優しく迎えてくれた。

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ダンナにプロポーズされたときに、真っ先に稲さんに報告した。
「ここだけの話ね!内緒にしてて!」って、なんでか知らないけど約束して
私自身もそんな約束すっかり忘れてたんだけど
しばらくして顔出した時に
「おい、ノビ。結婚すること、俺、内緒にしてって言われたから我慢しとったのに、みんな知っとるやんけ」って言われて、笑った。

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披露宴が終わった後、二次会を用意してなかったから、どこかの飲み会に合流できればいいや〜と思っていろんな人に連絡するも誰も捕まらず

ダンナサマーと“どうする?”ってなって
あ、きてみてやなら、って行ったら
いつも時代劇なのに、その時はダンナサマーの大好きなビートルズ特集の番組をながしてて
カウンターで“さっき披露宴してきた!”って定食頼んで、大満足で帰った。

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友達のサプライズ誕生日会もやった。

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東京ローカルホンクがバンドセットでライブして、対バンに万作ザ・バンドを誘ってもらってて、
音量が…ってなってたらしく
拓郎(万作)君と稲さんが、近隣に頭下げに行っていて

それを後から稲さんが「いや〜拓郎(万作)くん、ええやつやな〜」
って、当時 酔ってはグラスを割ってた拓郎くんをベタ褒めするエピソードを話してくれた。


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平日のお客さんが少なくて困るから
「ノビ、なんかやってや」と言われて
生配信企画やらやり始めて

なんやかんや
通ってるうちに健康麻雀会を思いついた。


平日ど真ん中の木曜日。

しぶしぶながら、打ちたい人は全力で参加してくれてたし
何より凹みがちな平日ど真ん中を一瞬でも満杯にできたことを誇りに思うよ。

いつだったか、健康麻雀会の日にボクシングの中継が重なってて
テーブルも満席で

でもみんな麻雀そっちのけで、ボクシングの試合が気になって


タバコの煙りと、好きな酒と、ジャン牌の、やたら軽快な音が重なって
昭和の空気に酔いしれた夜があったな。


きてみてやじゃなきゃ味わえない空気があった。

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サラメシの録画を見てて

これ!めっちゃ旨そうじゃん!!
稲さん作ってよ!

きてみてやの もつ煮が大好きだったから、それの焼きそばなんて最高じゃん!って褒めちぎったらその場で試してくれた。



そしたら最っ高に、うまかった。


今、思えば
新メニューの完成に立ち会えたって
すごいことだよなあ…


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きてみてやが火事かも…って
その日の夜のうちに
健康麻雀会のLINEで流れてきていた。

通知をオフってたから
翌朝に見て、すぐにTwitterやらネットのニュースを見て

なんとなく、全てを失ってしまったということは理解できた。



悲しみに狂うか否かの瀬戸際で、“今”のことを考えたら、とても冷静な頭が
「もう全部、知ってるぞ」って

そう、感じた。




父も、片桐さんも、稲さんも
同じところから見ている。



今の私を、見ている。




怠けていても、頑張っていても

叱るでもなく、褒めるでもなく
ただ、見ている。


そう思ったら、この生き方に嘘はつけないな

やりたいことは、やりきらないと
ってなった。


涙は出る。

寂しいもん。
悔しいし、悲しいもん。


でも


でも



でも!!


クヨクヨしてる自分よりも
戦ってる自分を見てほしい。

良い歌を歌って
好きな仲間と笑って
嫌なことにも立ち向かう姿を見てほしい。

怠けたいときも、愚痴りたいときも
きっと側にいてくれる。

そう、思うことにした。



悲しみって共感するのは難しいけど、共有することはできる。逆かな?わからんけど。
愛も、そうかも。

少しでもいいから分かち合えると
“孤独”が薄れる。

1人は怖いし、寂しいからね。






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稲さんへ。

好きなことを好きなだけ
思う存分してください。

僕も、そうします。

あなたを想っては泣くし、笑うでしょう。

ずっとずっと大好きです。




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