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6/15(土)
鶴舞 Music Bar Perch
open 18:30/start 19:00
adv¥2,000-/day¥2,500-(共に+1D¥600-)
TABIBITO
大瀧ヌー
ボ・カミオン



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雨降りでもウキウキしながらお気に入りの傘をさす。いつもは履かないレインブーツを出して、普段は入らない水たまりに飛び込んでみる。
跳ねて散らかった水しぶきが大好きなトートに染み付くんだけど笑いながら「これも、思い出になるね。」って僕の手を引いて歩く。
彼女のことが好きだ。

僕は曇天に負けて頭が痛くなるし、雨が降った日にはこの世の全てを呪えるくらい、雨が嫌いだ。
雨具を揃えるのもシャクだし、そのくせどうしても出かけなければならない時に雨具の用意がなさすぎて毎回、死ぬほど後悔する。
「ユーウツなんだ、とにかく。」
雨が降ると。今この身に起きている全ての不都合が雨のせいなんじゃないかと錯覚する。

「じゃあ雨がやめんだら、全部うまくいく!」



なるほど。
不都合は全部、雨と一緒に流して仕舞えばいいのか。
そう思うと急に雨音がハッキリ聞こえた。
今までノイズでしかなかった音がメロディーを奏でだした。

なんてこった。
あんなに憂鬱だった雨が、街を洗い流す様を見て感動している。雨音が、優しく心を撫でていく。



彼女からサヨナラを告げられてからだいぶ経った。
あの時は仕事も忙しくなっていたし、雨も降ってなかった。季節は覚えてないけど、空は無情にも青く広く彼女を吸い込んでいった。



今朝、雨降りだったのでいつもより一つ手前の駅から電車に乗ろうと思い傘を畳んでいると、幼い子供を連れた彼女が手を繋いで歩いて来た。
歌いながら、笑いながらコッチに手を振っている。

「いってらっしゃい!」
彼女が声をかける

「いってきます」と応えそうになった瞬間
「おう!君らも気をつけて!」
と隣のサラリーマンが手を振り返していた。

慌てて畳んでいた傘をさしなおし、駅から飛び出した。顔が熱くなる。雨が降っていてよかった。この瞬間、心底思った。
いつもの駅から電車に乗り、仕事をして家に帰る。
雨の中、手を振る彼女。
幼子の手を繋いだ彼女、横で大きめのカッパを着せられた てるてる坊主のごとく が水たまりの中ではしゃいでいた。

彼女の雨の日、彼女が選んだ雨降りの日。
二度と会うことはないと思った彼女を見て思い出した。僕は雨が大嫌いで、彼女のことが大好きだったこと。

優しい雨の音。
誰彼構わず平等に降り注ぐメロディー。

僕は雨に感動して、彼女がいなくなってから、初めて泣いた。
















ーーーーーそういうライブに
なると思います。今日。

え?
小説じゃないです、今日のライブの説明です。

体感しにきてね。


それでは今日も考える1日を。