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母・妻・嫁・姑・ときどきインストラクター

今日読み終わった衝撃的な2冊です。
今年の35冊目

ヒマラヤの風にのって 進行がん、余命3週間の作家が伝えたかったこと/角川書店(角川グループパブリッシング)
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ヒマラヤの風にのって

吉村 達也 著  角川書店

2012.7.31発行


帯に、「突然ですが、私はこの度、死んでしまいました」って書いてありまして

それだけで一体何があったの?と吸い込まれるようにこの本を手にしていました。

進行性胃がん、気がついてからこの世を去るまではあっという間でした。吉村さんは病院でこの本を出版することを前提に、書き、メモを残し、語り、まさに壮絶な最期です。

しかしながら、家族が悲嘆にくれる、泣くという場面はなく、むしろ病院に入ってからは死までのカウントダウンではなく、寿命が終わった後のおまけのような+の命だととらえ、家族全員で前向きに冷静に刻々と迫る死に対処しています。ご本人のサイトにUPされたという冒頭の文句、この本が出版されたということは「私はこの世を去っている」というものすごく達観した文言、ある意味潔い人生のモデルではないかと。



36冊目


トガニ: 幼き瞳の告発/新潮社
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トガニ 幼き瞳の告発

孔 枝泳 (コン・ジヨン)著 蓮池 薫 訳

新潮社

2012.5.30

2005年韓国南部の光州市の障害児学校で実際に内部告発によって明らかになった教職員による児童への継続的性的暴行に端を発した本です。当初はマスコミも市民団体もそこに住む人たちも巻き込んで大騒ぎになりましたが、やがて渦は穏やかになり、2007年には執行猶予の付く判決で人々から忘れられようとしていました。。2007年、コン・ジヨンさんがこの事件を元に書いたこの本によって、再び人々の関心を呼び起こし、2009年、ついには法まで改正されました。この夏、コン・ユさん主演で映画化され公開されています。

本を読み終わったところでは消化不良を起こしそうでした。なぜなら明らかな悪人が大した罪にも問われず、事件は根本的な解決をみなかったからです。しかしながら、この本が世に出た後に、法改正がされるまでになったという蓮池さんのあとがきを見て、やっと溜飲が下がった気がします。

どこかの国で学校内で起こったいじめをいじめと認めず、自殺との関連性を否定し、まったく動こうとしなかった教育関係者と立ち入れなかった警察・・・人命軽視、人権無視、保身・・・職務怠慢、人間性欠如・・形を変えどこにでもある子どもをとりまく状況を見るに、他山の石って言葉が通用しない現実を哀しく思います。


ということで、

明日からしばらく予約記事です。

じゃ、行ってきます。

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