英信流 中伝 真向の不思議 | 卍老人残日録

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-真剣道継承未完- 

松山武衛會は中伝 真向に到着した

 

私からの質問

 

「正座の抜打とどこが違うのだろう、そもそもなぜ立膝の中伝に正座が混入しているのか、不思議ですよね」

 

一同、困惑している

 

先週も少しだけ「居合形」をやったのだが「拳取」の所作で手首の取り方を学んだ

そのことにもまた触れてみた

 

手首は別の言い方ではなんというか、と言いながら英信流業名一覧を示して、ここに「袖摺返」という奥の業がありますね

袖を擦るところつまり手首です

瑞月會で城一水師範が使っていたA4の一覧

年月を経てラミネートも傷んでいるが彼女のことを思い出すために持っている

 

 

へえ~そうなんだと皆さん興味がわいたようだ

 

そこで、整理

手首を取るのに「拳取」

立膝の部に正座

 

皆さんは私の指導に疑義はありませんか? どこか矛盾していませんか?

私の言うことを信用しているんですか?

 

また一同困惑顔

 

実は・・・・と中伝を透過しようとする同志に向け詳細を語った

 

真向は後からも「奥伝」で出てくる実に居合の至極です

今夜はその中伝なりの口伝を伝えます

 

詳細は公開できないが、端座して三呼吸する初伝の習い

また、礼式で「礼三息」の遣い

初伝柄かかりの基本

すべてがこの場面で一体となる仕掛け

 

お楽しみいただけたかしら?

 

先生がこういったからとそのことを守るのも守破離の掟

それを飲み込んだうえで「なぜ」という問いを立てるのも弟子の務め

習いぱなしで始末を考えない修行者が多い、それを言葉にできる事は必須

習ったことを自分なりに消化し次の機会に質問してくるようでないと

次の段階に進めない、これは業に限ったことではない

最終段階は習得したものを生活にいかせ、進んで社会に還元できる「何事か」を身に着けることだ

 

 

松山帰還4年で武衛會道場負担でTシャツを製作できるような資金余裕もできた

仁水さんデザインの猫サムライがキュートだ

 

三日月のシンボルもちゃんと入っている

 

私と言えば老害の域に入ってみじめなものだが、10年ぶりくらいの中伝指導で

見せるのをすっ飛ばしていた「颪」「岩浪」をやって見せると

あら恐ろしや

現役のころのディレクトシステムが作動し、自分でも驚いた

自信満々でやっていたころの強さ、緩急、手ごたえ

ああ、これが伝統に沿った業の姿か!

 

むろん、74歳の肉体は無理もきかない

あとは意気だけ・・・

 

写真撮るから、顔が出たら都合悪い人は隠れてねと声をかけ

稽古の記念とした