ADIDAS STANSMITH (WHITE/GREEN) -SOLE No.15 | メンズファッション大革命

アディダス スタンスミス (白/緑)

「最大公約数」


このシューズのデザインからは、そんな言葉を連想してしまう。



なにしろ、全世界で2000万足以上を売り上げているのだから。


ちなみにスタン・スミス氏ご本人は、まだまだご健在である。


三種の神器、その2

「このシューズになにか説明が必要なのか?」

そう思わせるシューズは数えるほどしかないが、
このスタンスミスは紛れもなくそんなシューズの一つだ。

しかし、なにかしらを口にしない限り、
このクツに対する想いというのは伝わらないので、
僕なりの考えを述べたいと思う。

1965年にリリースされたこのシューズだが、
当時の名称はその時契約していたロベール・ハイレという
選手の名前を冠した「ハイレ」というものだった。

その後71年に全米オープンで優勝したスタン・スミスの
シグネチャーモデルとなり、お馴染みの「スタンスミス」という
名前と、彼の顔がベロにプリントされるようになる。

以来、洋の東西、年齢、性別を問わず人々と歩を
共にし続けてきたわけだが、これほどに地域によって
好みの差がないモデルというのは、非常に珍しい。

なぜならスニーカー業界では、あるモデルは
ある地域で爆発的に人気があるが、別の場所では
まったく人気がない、またはその逆…
といったことが起こりやすいからである。

同じくアディダスに「トリムトラブ」というモデルがあるが、
アディダス・ナッツ(アディダス狂)の多いイギリスでは、
それこそスタンスミスやスーパースターほどの人気と
知名度を誇るらしいが、日本人ではこの名前を耳にしたことの
ある人の方が、恐らく少ないのではないだろうか?

そんな具合である。

(イブサンローランの6.5センチヒールシューズ
「Jonny(ジョニー)」
の日本での人気ぶりに対する、
本国やヨーロッパでの評価の低さも同様である。)

このスタンスミスにスーパースターカントリー の三つを、
しばしばアディダスの「三種の神器」と呼んだりする。

圧倒的な売上げ、販売足数を考えれば、
あながち間違いではないだろう。




「こころだって、からだです。」 -中島らも

しかしその中でもこのシューズの特筆すべき点は、
ファッション業界から非常に熱いラブコールを
送られていることである。

パリの超有名セレクトショップ「コレット」では、
別注モデルのハイカットのスタンスミスがリリースされ、
クリス・ヴァン・アッシュのファーストコレクションの足元を
飾ったのは、すべてこのスタンスミス。

マーク・ジェイコブス氏、そして川久保玲女史が愛用している
ことでも知られる。それが影響してか、よくコムデギャルソンの
ショップスタッフの方が履いているのを見かけたりもする。

アディダス側もそのラブコールに応える形で、
ヨウジヤマモトとのY-3や、
ステラ・マッカートニーとのコラボラインにも
非常に力を入れて取り組んでいる

(僕個人としては是非、ステラのメンズラインも
用意してもらいたいところだ)。

この「スポーツブランドとファッションブランドの
コラボレーション」は、ヨウジのY-3がそのハシリだと思うが、
それをキッカケにプーマはアレキサンダー・マックイーン
ミハラヤスヒロと、ナイキはジュンヤワタナベと、
リーボックは(ブランドではないが)スカーレット・ヨハンソンと…
と、次々に広まっていった。

僕はこの流れは、非常に結構なことだと思う。

なぜならファッションとスポーツはどちらも「身体」と密接な関係にあり、
それは絶対に切っても切れないものだからである。

それは果てしない太古から続くものであると同時に、
限りない未来を示すキーワードでもあると思う。

そんな両者の融和点に一番最初に浮かび上がってくるのが
シューズというのは、当然と言えば当然のことかもしれない。

なぜなら、どちらの道を行くにせよ…
人間はその自分の足の大きさより、ほんの少しだけ
大きな面積の上を歩み続けていくものだから。

もっと言えば…二番目の小見出しで
書いたようなことかもしれない。

なにはともあれ、真っ白なスタンスミスを常に
カッコよく履きこなしたいものである。


10cmのハイヒール・スニーカー「ロングトールサリー」公式サイト
http://www.high-heel.jp/