先日、5月14日にBSで放送されたNNNドキュメント『南京事件Ⅱ~歴史修正主義を検証せよ~』は驚きでした。
以前、放送されたNHKスペシャル『731部隊の真実~エリート医学者と人体実験~』と合わせて、例のネトウヨ的陰謀史観「南京大虐殺も731部隊の人体実験も中共・朝鮮の捏造だ!」という主張を無慈悲にも封殺する説得力だった。
おまけによく言われてる稲田元防衛大臣のこの辺りとの関連にも言及されてたし、言わずもがな昨今の虚偽・隠蔽・捏造・改竄ブームにきっちり物申してるわけで、そもそもあの人たちの思想的よすがに対する強烈なカウンターにはなったわけです。
思えば、この南京大虐殺・731部隊論争というのはその昔、森村誠一の『悪魔の飽食』に使われた写真がヤラセだったことと、中国が公表してる「被害者三十万人説」が幾ら何でもあれな誇大プロパガンダであったことから変に拗れてきた議論に思えます。というか、一部の日本人の歪な自己肯定妄想に詭弁の余地を与えてしまった。
僕にしたってこの問題は何が本当なのか割り切れない気分を抱えてきたわけで、あったにはあったろうが、実態がどの程度の誤差なのか計り知れない事にかえって安堵してきた。しかし、もう終わりにしようと思います。
昔、古本屋で買って読んだ、あの本に書かれてあったことは真実だったんだ。南京攻略戦に参加した元陸軍兵士が書いた戦時体験記『南京虐殺と戦争』曽根一夫著。
しかしこれは決して「自虐史観」云々といった心境ではありません。そもそも「自虐史観」などというもの自体、ありもしない捏造された概念なのです。世界の何処にも自虐史観を普遍的に持つ民族など存在しないし、第一、人間は自虐史観を抱えて生きられるほど強くもないし、また弱くもなれない、所詮、等身大の生き物なのです。
「ポケットをさぐると、小刀と手巾に包んだカルモチンの瓶とが出て来た。それを谷底めがけて投げ捨てた。別のポケットの煙草が手に触れた。私は煙草を喫んだ。一卜仕事を終えて一服している人がよくそう思うように、生きようと私は思った。」 三島由紀夫著『金閣寺』