僕が住んでいるそばには大きな工場地帯があって、少し前にこの一帯をチャリンコで、深夜によく通っていたんですね。
大きな大きな工業団地なものだから、深夜になると、それこそ、ひとっこひとりいない。
寂漠とした無機質な構造物が、行けども行けども連なって、ちょっとした悪夢を思わせるように、背筋が薄ら寒くなる。
それって、イマジネーティブな恐怖ではなく、もっといびつな、忌まわしい何かを感じるんですね。
昔の、御茶漬海苔の漫画みたいな寒々しさかな。
ある日なんか、どういうわけか道を間違えて、延々、工場街を縦断して(午前3時か4時頃ですよ)、出てきたところが、未知との遭遇のUFOが現れそうな恐ろしくだだっ広い畑だったんです。
降るような星の下を、無防備感いっぱいになりながら、小学校のようなものに沿って突っ切ってく時には、もしここに突然、後ろ向きの女が立ってたら、その瞬間、俺は死んでまう、と真剣に思いましたよね。
人間が掃けた、深夜の工場街というのは、何か物凄く悪い負のオーラを持ってる気がします。
人間社会が繁栄するための歪みが掃き溜めとなって、そのヘドロからは脈々と呪怨が醸成され続けているのだと思います。
なんでそんな怖いはなしするのかっていえば…。う~ん。まあ、夏だしねぇ。
