赤松利市著

「鯖」

赤松氏の作品は「藻屑蟹」に続いて2作目。

読み進める内にこう言う結末だろう、という予測が出来てしまったが、

読み応えのある作品だった。

 

「らんちう」

面白かった。殺人を犯した旅館の従業員達6人は、若女将を

いい人だと思っているが、最後にどんでん返しがある。

6人にとって総支配人は糞豚で殺すに値する人間だが、

総支配人にクビを宣告された元調理長は総支配人を高く評価している。

見方によって、人の評価は曖昧なんだとつくづく思った。

 

垣谷美雨著

「優しい悪魔」

ヘビースモーカーの主人公・佐和子が禁煙に成功するまでを

面白可笑しく描いている。

今はもうすっかりタバコを吸わないが、

20年以上喫煙してきたオレも佐和子の気持ちが理解出来る作品だった。

 

山本文緒著

「無人島のふたり 120日以上生きなくちゃ日記」

手にするまでこう言う内容の作品とは全く知らなかった。

切ない気持ちになりながらも、作者の心の強さを感じる作品だった。

 

「恋愛中毒」

小説は最初、編プロに勤める井口という青年の一人語りから始まる。

その井口と社長、事務の水無月というおばさんと飲むことになり、

社長が帰った後、そのおばさんの身の上話を聞くことに。

小説の内容はいつの間にか水無月の過去の話へと展開していく。

凄く巧みな描き方だ。解説で林 真理子氏もそのように評価している。

水無月の異常性は小説の冒頭「恋は人を壊す。」というフレーズに、

全てが表されているように感じた。

 

「絶対泣かない」

15の様々な職業に就いた、働く女性の短編集。働く意義、働くことでの悩み、

それに伴う私生活など様々な実態が描かれている。

男のオレでも共感できる部分もあった。

あとがきにあるように、「どうして働いているのか。何が欲しいのか。

それでいったい、どうしたいのか。どうしてもらいたい、のではなく、

どうしたいのか。」これが大事なことなのだろう。