畑野氏の作品は「国道沿いのファミレス」「夏のバスプール」に続き、

3作品目。

 

まだ3冊しか読んでいないが、彼女の作品に共通するのは、

テンポが良い展開と自然な会話が読んでいて心地よい。

必要のない、妙に飾り立てた文言がないのが実に良い。

 

今回の「海の見える街」は図書館で働く本田君、日野さん、春香ちゃん、

そして児童館で働く松田君の4人の男女の群像劇。

「マメルリハ」(インコ)、「ハナビ」(ミドリガメ)、「金魚すくい」

「肉食うさぎ」の4編から成り、それぞれ本田君、日野さん、松田君、

春香ちゃんと主役を変えて描かれた一年間だ。

 

時間の経過と(恋愛)感情の変化も絶妙。

 

この「海が見える街」は図書館で借りたのだが、

その図書館の司書の人達もこの小説を読んだのだろうか?

ふと、そんなことを思ってしまった。

 

胸キュンする小説だった。