今回も面白く読了。

会社の後輩、水野と一夜限りの関係で

妊娠してしまった主人公・宮村優子が、

色々な困難を乗り越えて、無事出産までたどり着く内容。

(出産後の事も多少触れているが・・・。)

 

優子の高校時代の友人で住職の近藤凡庸が

恋愛感情もない優子と入籍し、生まれてくる赤ちゃんの父親になる、

というのは余りにも無理があるんじゃないか・・・。

 

宗教家で人望厚いの凡庸が偽装結婚ってどうなのよ・・・。

 

人種差別や育児休暇、保育園の空き状況、

パワハラ、モラハラなどの社会問題も散りばめられていて、

考えさせられるのも良かった。

 

そして、こんな適格な一文があった。

 

「いつの時代も、人手不足や欧米諸国からの圧力で日本政府や企業は

大きく舵をきる。女性に対する人権意識から政治家や企業が

自発的に動くことはない。」

 

昨今、ニュースで話題の「故ジャニー喜多川氏による性加害問題」も同様。

 

欧米諸国の外圧(BBC)によるドキュメント番組がなければ、

日本のメディアは果たして取り上げていただろうか?

疑問である。

 

事実、BBCの記者アザー氏は

【週刊文春の記事を巡る名誉毀損きそん訴訟で、東京高裁が2003年、

記事中の10件の申し立てのうち、喜多川氏の性加害を含む9件を

事実と認定していたことも知った。

「なのになぜ、日本の報道では語られないのか。

多くのメディアに連絡を取ったが、壁が立ちはだかった。

『見えているのに隠れている物語』だった。

誰もやっていないなら、私たちがやるしかないと思った」と述べている。】

 

オレのヒトの事をとやかく言える立場の人間ではないが、

多くの日本人は「見て見ぬふり」「長いものには巻かれろ」的な風潮があるのだろう。

 

でも、間違った事には、間違っている、と言える勇気を持ちたい。