患者の声が聞こえる不思議な聴診器を手に入れた主人公、摩周湖と
末期癌患者で女子高生の桜子、
同じく末期癌患者で三十代代議士婦人の貴子を中心にした話。
物語は少しスピリチュアルと言うか、
非現実な要素がありながらも、貧困や児童養護施設など
社会の光の当たらない部分にメスを入れている。
「後悔病棟」の続編だと言うことを
文庫本のカバーの裏側を確認して知り、
順序を間違えたことに気が付いた。
しかし、小説の解説をしている門賀美央子氏によると、
「体裁としては続編だが、独立した作品になっているので、
前作を未読でも十分楽しめる。そこはご心配なく。)
とまで記載があったので、問題ないようだ。
そして何より、門賀美央子氏が記載したこの解説文の中に、
心に留めておきたい文章があった。
「死ぬ時に後悔せずにすむ、希望に満ちた人生に必要なものは何なのか。
結末まで読めば答えが書いてある、わけではない。
登場人物たちと同じように、読んでいる私たちも
答えは自分で見つけなければならない。
ただ、ヒントはたくさん、文中のあちらこちらにちりばめられている。
物語を楽しんだ後、今の自分に必要なヒントをじっくり探してみるのも、
本書の楽しみ方の一つかもしれない。」と。
そしてその答えは、やはり解説文にある、
「他人を信じる。自分を信じる。自分のために生きる。
そして人のために尽くす。それぞれの年齢で備えておくべき
「心構え」を見つけていく旅路が、本作では描かれている。」と。
なるほど、いい言葉だ。
オレの歳だと、そろそろ人のために尽くす「心構え」が
必要な時なのだろう。
そう言う意識をしっかり持ちたい。
そうすれば、「死ぬ時に後悔せずにすむ、希望に満ちた人生」を
送れるかもしれない。