【【断捨離】とは少し大袈裟だが、棚の整理も兼ねて、

読み終わり、ただ本棚を埋めてしまっている本の多くは、

ブックオフに持ち込んだりしているが、

文庫本など売ったところで数円にもならない本は、

定期的にアメやお菓子などと一緒に

有料ホームにいる母親に送ったりしている。

 

ボケ予防にもなりそうだし、何より暇つぶしになるそうだ。

 

三島由紀夫や遠藤周作、井伏鱒二に林芙美子、阿川佐和子と壇ふみの共著本、

東野圭吾、池井戸潤、宮部みゆき、南杏子など様々な文庫本を送った。

 

最近、内舘牧子の本を送ろうと、

改めて読み返してみたが、「終わった人」が殊の外面白い。

映画化された事は知らなかった。

 

主人公は東大出のエリート銀行員で、

5流私大出身のオレとは全く異なるが、

共感できる部分がかなりある。

オレ自身、60歳が目前に迫り、ほぼリタイア状態の身だから、

実感を伴って読めたんだと思う。

 

内館氏は、

"60代以上の方は、自分は終わった今、「成仏」できているか、

考えてみることだと思います。

一番まずいのは、終わっているのに「終わっていない」と思っていること。

私たちは年を取った人を凌駕(りょうが)して、第一線に出ました。

今度は凌駕される番。

「まだ若い者に負けない」と思いたくても、世代交代なのです。

「残る桜も散る桜」。終わったことを認めると、

次に動き出しやすくなります。”

と言う。

 

身につまされる言葉でした。

 

「残る桜も散る桜」

江戸時代の曹洞宗の僧侶で、歌人でもあった良寛の辞世の句と言われている歌。

響くなぁ~。