ずっと訪れたかった「エピセ(epicer)」に訪れる機会に恵まれました。
ここは西麻布の青山側一本後のビストロ通りの、広尾に近い場所にあります。
『ヌーベルシノワ』という位置づけで、中華をフランス料理のように供してくださるお店ですが
コースを頂いたあとで、
フレンチ、というより、和の会席との融合、いわば『会席中華』のように感じました。
頂いたコースは
エピセ(10000円)
■アミューズ・・・生くらげを本日のソースで
胡椒の実と酸味の効いたマスタードのソースで和えた生くらげは、九州で獲れた越前水母だそうです。
へぇ~九州で越前水母が獲れるんだ・・・・☆
当然、干していないくらげの為、フカヒレと葛きりを足したような食感で、レアな食材の醍醐味を味あわせてもらいました。
ソースはマスタード風味ながら、酸味のきつさもなく美味しかったなぁ。
■前菜・・・四川品盛り合わせ
*ピータンをクリームチーズで和えて、湯葉で巻いたもの・・・
こんな組み合わせがあるのは流石なキュイジーヌと言えます。あっぱれな一品。
*紹興酒などで和えた生湯葉の上にスズキの生姜醤油風味・・・
紹興酒の薫り高い醤油を潜らせた生姜がすっごく!美味く、それと一緒にいただくスズキ☆
すずきの食感と、とろとろの生湯葉の食感、香る紹興酒と湯葉の香り、全てが凄まじく美味しかったです☆
*バイ貝を葱醤油ソース・・・葱醤油で頂くこの一品も鼻腔から味雷から美味しいという主張が届き。
*四川名物よだれ鶏・・・こちらのスペシャリティの一品ですが、流石にどことなくシャンツァイの香りもしました。
■ふかひれ入り酸辛スープ
大抵はスープに入っているフカヒレは春雨状ですが、
こちらではダイス状に近いカットで、食感が楽しめるように工夫されています。
具は、フカヒレのほかに、貝柱、中国の固めのお豆腐の千切り、えのき、木耳など具沢山!
酸辛は大好きな上に、シャンツァイが乗っていて大好きな風味とお味でした。
ふかひれはあくまでもアクセントになっていますが、これはトータルバランスでGoodです☆
■活はまぐりの天ぷらとずわい蟹、九条葱ソース
はまぐりの天ぷらは、どちらかというとフリッターという食感の衣で
九条葱のソースはたっぷりと添えられていて、スプーンもセットされ、スープのように余すところなく味わえます。
下に敷いてあるフレッシュホワイトアスパラも、シャキシャキ感をしっかり残した甘いアスパラで
超☆好みでした~☆
■牛ほほ肉の煮込、生姜風味の黒酢ソース
箸でほぐれるホロホロに柔らかいほほ肉は、甘めのソースが掛かっていて、
それがやや甘めなので、胡麻やにんにくで作った自家製の辛いスパイスが添えられています。
筍は九州のものだそうです。
■坦々麺
でました~!!
これが食べたいが為に
訪問したと言っても過言ではない、こちらでは麻婆豆腐と並んで人気の坦々麺。
芝麻醤がたっぷりの坦々麺に花山椒はミルで好きなだけ掛けられるように提供されます。
電動ミルなので
「シュッシュッ」という音ではなく「ジー」という音なので、個人的には是非、手で思う存分引きたかった気もしますが、我家では惜しげもなく使う芝麻醤=濃厚で旨い坦々麺のスープにさすがな玄人のスープです。
■デザート・・・杏仁豆腐と紹興酒風味のプリン
杏仁豆腐はアーモンドパウダーをいっぱい使った濃厚に近い味。
紹興酒風味のプリンは、若干私には甘かったものの、初体験の目から鱗の紹興酒の香りのしっかり漂うプリンでした。
シェフは中国の方ではなく、日本の方とのこと。
やはり、喩えるならば、
ヌーベルシノワというよりは、日本の和の香辛料や食材を大切にした
和会席の食材とスパイスを応用した『中華会席』という位置づけであると感じました。
日常遣いには・・・私には式一が高いけれど、独創懐石に近い優雅な雰囲気と驚きで再訪したいお店の一つになりました♪