まずまず面白かったです。
原作をだいぶ前に読んでいたのですが、ちょっと記憶があやふやで新鮮な気持ちで見られましたw
原作は短編集で、それぞれ現代的な「今」を意識させるテーマを扱って、それぞれぞっとする怖さ、不気味さを感じたのを覚えています。
マッチングアプリ、オンライン飲み会、youtuber、どれも今を端的に表す象徴のようなテーマで、身近であるがゆえにその得体の知れなさに恐れを感じずにはいられません。あ、面談の話は「今」って感じは薄目ですね。(面談よりも原作の中の「パンドラ」の方が今っぽいんですが、なぜ削ったんでしょう?)
映像化されたこの作品はSNSが生活に深く食い込んだ「今」の雰囲気をよく表していたと思います。実写化としては成功の部類に入るクオリティなのは間違いないはずです。
<<ちょっとネタバレ>>
でも、あのチープなyoutube番組はいただけない。あのアンケートには意味がない。「個人情報をさらされるか、拘束されている女性を殺すか、どちらかを選べ」なんて。
同時接続150万人てのはまあいいとしても、たまたま見に来ただけの150万人の個人データをすべてブッコ抜くことなんて不可能でしょう。
まあ、それがハッタリで実際にはできないけどそう提示された視聴者はどちらを選ぶのか突きつけた、ってことかもしれませんがあまりにも稚拙。
匿名の傍観者を「逃げ場のない当事者」の立ち位置にまで引きずり出す、的な事を言ってましたが、傍観者たちはどこまで行っても当事者にはならないので無意味ですね。
たとえアンケートで「女性を殺すべき」が選ばれたとしても、その結果を受けて殺すのはあくまで主催者。殺すのは「殺すべき」を投票したものではなく、実際に手を下したものです。「アンケートがそうなったから殺しました」なんて言い訳はどこの世界でも通用しないうえに、傍観者たちは自分のせいだとも感じないと思います。人の善性を信じすぎです。「馬鹿なことするやつがいるなぁ」ぐらいの感想で1か月もすれば忘れ去られるだけです。
この映画を視聴する人間を巻き込むような、第四の壁を乗り越えてくる怖さを見せたかったんでしょうが、ちょっと失敗してますね。原作の方が「さあこれもエンタメなんだろ?楽しめよ」的な不気味さと毒々しさと痛々しさがあって優れていると個人的には感じました。
<<ネタバレ終わり>>
そしてもう一つ言いたいのは伊藤英明さんは、不気味な役がハマるなあ、ということですw
見て損はないと思いますが、原作のほうが良い出来かなあとも思います。
