「テセウスの船」1,2回感想 | 感想亭備忘録

感想亭備忘録

ドラマ、映画、小説について感想、解説、批評など。
願わくばたくさんの面白いコンテンツに出会えますように。

 

今まで感想を書いてきませんでしたが、今期一番面白いのはこのドラマだと思います。

 

次々起こる出来事、先の読めない展開、隠された真相。

どれもこれもどうなるのかハラハラドキドキさせられ楽しめます。キャスティングも重厚で、だれもかれもが怪しく見えます。あ、でも主人公の父、佐野文吾(鈴木亮平)を無闇に怪しそうに見せる演出はやりすぎな気がするんですが、それでもそれが完全にミスリードだとは言いきれない不確かさがあって、サスペンスドラマとしてはいい具合に落ち着かなさを演出してくれます。

 

タイムスリップものですので、起きる(はず)の事件はわかっています。ですので、それをどうやって防ぐのか、というのが一つの興味の焦点になるのですが、それと同時に主人公である田村心(竹内涼真)が動くことで、事態が変化し次に何が起きるのかいつ起きるのかがわかりにくくなっていくところが物語の面白さのもう一つの焦点になっています。

 

サスペンス一辺倒かというとそれだけでhなく、家族というものへの深い想い、献身、愛情もしっかり描かれています。

無差別殺人の犯人として捕まった父のことを「いないものだと思え。」と言っていた母(榮倉奈々)のことを、タイムスリップ後若いころの母親にぶつけたときの返事。

「子供を守るためなら私もそうする。そうしながら夫に“これでいいんだよね”って心の中で問いかけながら。」

これにはちょっとと胸を突かれる思いがしました。

そういう愛情、そういう生き方があり得るんだという驚き、深い愛情に裏打ちされた強さへの感嘆、そういった感情が湧いてきます。

 

とにかく良いドラマです。

やはりしっかりした原作をきちんと脚本に落とし込めば質の高いドラマになるんだなあと改めて気づかされました。オリジナル脚本はいろんなところに忖度するせいか、特にゴールデンだと当たり障りのない毒にも薬にもならないものになってしまうこともあります。(深夜ドラマはしがらみが少ないせいか尖がった作品を楽しむことができますが)

そういう意味では充分に原作を吟味し、脚本を練って、こだわって演出をしてくれれば…ってそこまでできるのならオリジナルでも面白いものができますね(笑)

 

日曜劇場はなんだかんだで質の高いドラマを作ってくれています。「おっさん顔芸ドラマ」にあんまりこだわると駄作も生まれますが(笑)

この調子でいいドラマを作り続けてほしいと思います。

といいつつ次クールは「おっさん顔芸ドラマ」の本家本元「半沢直樹」ですね(笑)