「トレース 科捜研の男」第4回感想 | 感想亭備忘録

感想亭備忘録

ドラマ、映画、小説について感想、解説、批評など。
願わくばたくさんの面白いコンテンツに出会えますように。

 

今回、物語の骨子は悪くなかったと思います。

兄弟の確執と心の繋がりを描いて、心に染みるお話でした。

ちょっと演出が浪花節的と言うか、お涙頂戴に傾きすぎたところは気になります。証拠の鑑定シーンの劇伴がなんだか悲壮感あふれると言うか悲しげなのはやりすぎでしょう。科学的に調査しているシーンはもっとドライに見せてくれたほうがいいと思うのです。

 

とは言え科捜研の同僚の一人である相楽(山崎樹範)が真野(錦戸亮)を嫌う理由が描写されたのは良かったと思います。自分勝手な行動で周囲を振り回す兄の存在と真野の我が道を行く姿勢がオーバーラップして、きつくあたってしまうというのは納得できる理由です。

そういう事情が描かれなかったので、同僚たちは単なる嫌なヤツに見えてしまっていましたから。

 

ただ、どうにも細部が雑です。特にいつも無意味に怒っている虎丸(船越英一郎)を中心とした警察の描き方。まあ、このドラマの場合、警察は常に間違った推論から間違った人物を容疑者にしてしまう徹底的な無能集団ではあるのですが、それにしても雑です。

 

捜査会議のシーン。ホワイトボードに10人以上の捜査対象者の名前が書かれています。虎丸が叫びます。「全員で片っ端からコイツラを洗い出せ!」「はい!」ドドーっと出口に向かう捜査員たち。

え?誰がどこを担当するか決めないまま、適当に捜査するんですか?

 

続いて、相楽が重要参考人として浮かんだ後の捜査会議。相楽の家を家家宅捜索することになりました。虎丸が叫びます。「相楽を徹底的に調べ上げるんだ。」「はい!」ドドーっと全員出ていこうとします。

え?相楽の家にそんな大人数入れないんじゃない?全員で行っちゃったら家宅捜索するどころか満員電車みたいになりそうですが…。

と思ったら、真野登場。「大麻の成分が検出されました。」虎丸が叫びます。「大麻の元締めを探し出すんだ!」「はい!」ドドーっと全員出ていきます。

えーっと、担当区域割とかしないまま適当に探すんですか?おんなじ場所に何人も行くことになりませんか?誰も探しに行かない場所とか出ませんか?

 

もう何のために会議やってるんだか全くわかりません。

詳細に描く必要はないにしても、「担当を決める。〇〇と☓☓は・・・」とか虎丸以外の指揮官が指示するところを入れればいいだけなんですが。

そもそも殺人事件の捜査本部の指揮を一刑事が取るなんて…ってまあそこまでのディテールはいいとしますか…。

 

今までの刑事ドラマの積み重ねを全く無視した雑な描写は、コントにしか見えません。変に警察の描写入れなくても良かったんじゃないでしょうか。ぜんぜん違うジャンルのドラマですが「地味にスゴイ!校閲ガール!」が校閲部だけに絞って物語を描いたように、科捜研にだけ絞って科捜研の仕事をクローズアップしてくれたほうが興味深かったように思います。

 

なんか全体的にチープなんです。今回のラストシーン、警視庁の刑事部長というキャリア組のエリートである壇(千原ジュニア)が真野の写真を赤く塗りつぶす、なんて失笑モノの演出です。

 

さて、次回…あまり期待できませんが視聴は続けます。感想はどうするか考えどころですね。あんまり文句ばかり書いてもという気もしますし。次回の内容次第というところでしょうか。