「トレース 科捜研の男」第3回感想 | 感想亭備忘録

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今回のエピソードは良かったと思います。

少女連続殺人事件、と思いきや最後の事件だけは別の真相がある、というドンデン返しがお見事でした。

全開の感想で書いた「鑑定シーンをきちんと描写してほしい」という部分もある程度実現していました。ようやく科捜研っぽくはなってきたと思います。

 

ただし、良くなってきたのは事件の基本構造と一部の描写だけで、まだまだ不満点はあります。

 

まず、良くなってきたと言った鑑定シーンですが、まだまだです。

基本真野(錦戸亮)が何かを思いついても、何のためにどんな検査をし何が検出されたのかを延々口にせず、当事者の前に立ってようやく「〇〇が検出されたので〇〇だ。」と水戸黄門の印籠のように結果を明らかにします。でもそんな引っ張りは必要ないんです。登場人物にはわかっていることを視聴者に隠して、意表をついたつもりなんでしょうが、それでは何のために何をしているのかわからないシーンを延々見せられることになってしまいます。

鑑定の目的と内容は鑑定の開始時に明らかにしていいんです。その結果導き出されたものが何を意味するのか。そこを考えるシーンを作ってくれれば、視聴者も謎の解明に参加したように感じられるはずなのです。

 

次に科捜研、というよりも主人公の真野の優秀さを強調するために他の駄目っぷり、低能さを強調しすぎです。刑事連中は存在する必要がないぐらい頭が悪く強圧的で、科捜研の同僚は信じられないぐらいに人格が低劣です。こんな描き方する必要ありますか?

これでは「周囲の駄目っぷりにくらべれば真野はまだまし」程度の評価にしかなりませんよ。

優秀な周囲を描いておいて、その周囲が舌を巻くほどの洞察力を真野が発揮する。その方が主人公の特異性が際立つと思います。

 

最後に、やっぱり主人公が薄い。

薄味というか存在感が幽霊並みに希薄というか。錦戸亮さんはほんのちょっとした表情の変化で色んな感情を表現していて、かなりがんばています。でもあの餓死寸前みたいな発声はなんなんでしょう。無口でもいいんです。でも無口なら無口なりに存在感を出す演出を考えないと、いまのままではどう考えてもノンナ(新木優子)が主人公です。

 

基本のエピソード自体は面白いのに細部が色々駄目なままなのが非常にもったいないと感じました。次週は同僚が容疑者になるようですが、嫌なヤツとしか認識できていない同僚を容疑者にしても共感を呼ぶ話にはなりそうにない気がするんですが、大丈夫なんでしょうか。

一応来週も見ますが感想は内容次第では書かないかも知れません。

 

あ、それはそうと、首吊りのロープを掛けた枝が折れたら助かりそうに思うんですが、逆に首が絞まり続けることってあるんでしょうか。そういう事例があったのかなあ。なんか納得し難いんですが。