「ブラックペアン」第1回感想 | 感想亭備忘録

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こりゃあカッコイイわ。

圧倒的でした。

この4月期のドラマの中で圧倒的な迫力と面白さを感じました。

 

まずは二宮和也さん。

さすが上手いです。

基本的な彼の俳優としてのイメージはその風貌も相まって江戸っ子的なきっぷの良さと真っ直ぐさだと認識していました。

しかしながら今回は自身の外科医としての腕に強烈な自負を持つ狷介で難解な性格の、場面によっては邪悪とも言える役どころを見事に演じています。

見た目の線の細さや若く見えすぎるところに頼り無さを感じる部分もありましたが、「ならお前がやれよ!」の台詞で渡海と二宮さんが一体化したような気がします。

 

対立の構造もかなり重層的で、色々この先どうなるのか気になってしまう作りになっています。

東城大vs帝華大、佐伯(内野聖陽)vs渡海(二宮和也)、東城大の他の医局員vs渡海。東城大付属の病院長が帝華大派だったり、研修医同士の中にもちょっとした不協和音がありそうだったりと盛りだくさんです。

 

そして視聴者が感情移入しやすい人物として配された研修医の世良(竹内涼真)がいい役割を果たしています。このキャラクターは常識的で、その常識で一般的に正しいと思うことを尋常じゃなく熱く訴えかけてくれます。彼に対して渡海を含む毒のあるキャラクターをを反応させることで、その歪みや異常さが浮き彫りになる仕組みですね。

視聴者は世良に感情移入することで、渡海の理不尽さに義憤に駆られたり、彼の行動に驚愕したり出来るのです。

 

そしてこれだけ濃い面子で濃いシチュエーションでありながら、患者を症例としてでなく人物として扱っているところが素晴らしいです。メインの患者の想いを(必要最小限ではありましたが)描くことで、クライマックスの世良の土下座が大いに心を打ちました。

 

原作未読なのですが、ここまで面白いのは原作のおかげも大きいんでしょう。もちろん演出も演技も素晴らしいのですが。

とにかく次週が楽しみです。なんなら10夜連続で放送してほしいぐらいです。

 

あ、一つ言い忘れてました趣里さんはとてもいい女優さんですね。「リバース」の時も強いインパクトがありましたが今回も存在感がすごいです。メインヒロインは難しいかも知れませんが群像劇なんかで威力を発揮しそうです。「コード・ブルー」にナースか医師で出てくれてたら引き締まったかも知れないなあなんて、ちょっと考えてしまいました。