「奥様は取り扱い注意」第3回感想 | 感想亭備忘録

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今回は物語的に軽い仕掛けがありましたね。どんでん返しと言うほどではありませんでしたが、ちょっと「おっ?」と思わせるものでした。

 

助ける対象が、はじめから自分の気持ちに素直だった「いじめ被害者」ではなく、虚勢を張って無理をして自分を追い込んでしまっていた「いじめ加害者」の側だったことです。(もちろんトレーニングの段階で被害者の救済も果たしていますが)

一般家庭に起きる問題に関わる以上、一方的な悪人ではなく、それぞれが自分なりの苦悩や葛藤を抱えていることが垣間見えてよかったとおもいます。

 

また、加害者を救うという構図は、最後のリベンジが生温いことを納得させてくれる効果もありました。今までの2話のような完全なる悪人に対して、顔色ひとつ変えず人を殺せる工作員だったはずの菜美が下す制裁がどうにも歯がゆいくらいに生温く感じたのですが、今回のように対決する相手を改心させるための制裁であれば手加減にも納得できます。

 

全体的には安定してそれなりに面白いのですが、突き抜けた良さが見えてこない気がします。それと主婦3人組はいつも微笑ましいのですが、優里(広末涼子)と京子(本田翼)の夫婦関係の問題が、全く進展せず、ちょっとモヤモヤさせられますね。これを最終回近くまで引っ張られるとしんどいような気がします。早いうちにスカッと解決しておいてほしいですね。

 

演者では今回ゲストの青木さやかさんが出色の出来だったと思います。女優としてしっかり演技されていました。お笑い芸人の部分が透ける事なく、威圧的で押しの強い女性を演じていました。

 

金城一紀さん脚本ということで何か仕掛けてくれるんじゃないかと思っているのですが、今のところとても普通です。次回菜美の過去を知る女性が出て来るらしいので何か変化が生まれるのかもしれません。

 

今期は「コウノドリ」を筆頭に「刑事ゆがみ」「明日の約束」「陸王」それに(個人的にはかなり苦手な感じでしたが)「監獄のお姫様」とヒトクセある良質なドラマが揃っています。埋もれてしまうことの無いよう、このドラマにも頑張ってほしいですね。