チシマミズギワゴミムシ Bembidion dolorosum


2025/11/3 秋田県由利本荘市

Length: 6.4 mm


 個体変異に富む種で,体長,色彩,上翅の斑紋の有無,さらには上翅の条線の状態まで多岐に渡り変異が見られる。なかには,とても同種とは思えない変異を持つ個体もいる。


 この種に関する比較的最近の研究として,青森県の恐山がタイプ産地であるオソレヤマミズギワゴミムシB. negreiが,本種の新参シノニムとして処理された,というものがある。同時に本研究では,同じく日本から記載されたミチノクオンセンミズギワゴミムシ B. ozakiiも,本種の新参シノニムなのではないか?という考察もされている。ちなみに,B. negreiおよびB. ozakiiはどちらも温泉地帯などの酸性地域に生息している種である。もしB.ozakiiも本種の新参シノニムであると仮定した場合,"チシマミズギワゴミムシB. dolorosum" とは,他のミズギワゴミムシに比べ,極地に至るまでのひじょうに広い環境に適応している上,それぞれの生息環境で独自の個体変異が見られる種,ということになる。いずれにせよ,本種の分類学的な研究はまだ途上であると言えるだろう。今後の研究の発展に期待したい。


画像の個体は,山地を流れる渓流の河原から得た。大型で,不明瞭ながらも上翅端に一対の斑紋をそなえる個体だ。