10月2日(水曜)
「僕は会社に不当に搾取されているのではないか」という被害妄想は日を追う毎に増して行き、
ついに臨界点を超えたそのとき、
「おう!おう!オレはオメーラのチェスの駒じゃねーんだよ!あんまなめてっとしまいにゃやんぞ!!
取りあえず明日明後日会社休むから、2日間、残ったキミらでどんだけこのオレ様が今の今までいろいろと耐え難きを耐え 忍び難きを忍び、雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ、涙をこらえながら激務をこなしてきたかよーーーーーく噛み締めながら働きやがれ!!」
という捨て台詞を残して、あたふたする会社の人間たちを尻目にエレベーターに乗り込み、玄関ホールに向かうべく、1Fを押し、間髪居れずに、怒りにわなわなと震える手で、「閉」ボタンを連打した。
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そんな大胆なことができない典型的な小市民なボクは、かねてから2週間前より、「へえ、すいません。。10/3、10/4と、有給を頂きたいんですがね。ヘヘ。あっ、頂けますか?ありがてえありがてえ。何てったってね。あっしら労働者は体が資本ですから。なあに、連休で思いっきり休んじまったら、後は馬車馬のように働きますよ。あっ、給料はもちろん今まで通りでいいんですよ旦那!」とドストエフスキーの小説に出てきそうな小役人みたいに思いっきり媚びへつらって休みを頂いたわけです。
で、休みの日は何処へ行こうか、そうだ、一人西のほうへ向かおう。それで海へでも行って、海辺の旅館にでも一泊しよう。
そこで海の向こうからやってくる塩風を体いっぱいに感じるんだ。最高だ!なんて思ってその週の頭からニヤニヤしていたのです。
ところが、約一年半の間、スイスへと旅立っていたDREAD EYEのしんたろう氏がつい先日帰国したというではありませんか!!
スイスといえば、時計、マッターホルン、FEAR OF GOD、春香クリスティーン…(※1)あと、つい先日、
ベーシックインカム導入是非の国民投票が行われるというラディカルなニュースでも話題になりましたね。
何はともあれ、この吉報を手に入れた僕は取りあえず、花の連休の前夜祭ということで10月2日の夜、渋谷の居酒屋で帰国して間もないしんちゃんと久しぶりに飲んだわけです。
で、僕ぐらいになると、渋谷で飲んでるとなると女子が放っとかないわけですよ(笑) というわけで、ヒロコープスとあきちゃんの計4人で渋谷の『せんいち』という居酒屋で僕の連休前祝&しんちゃん凱旋祝というこの上なくおめでたい名目で飲んでいたわけです。
一年半前にあったときよりずいぶん日焼けしたしんたろう氏は遠い異国の地で遭遇した様々な出来事を、ウィットに富んだ話術で面白おかしく語り、最高の酒の肴にしてくれた…と思いきや、普段の周りの連中のあほみたいな話題が9割くらいでしたね。
よく覚えているのが、あきちゃんにこのブログを、「ただ眠くなる」「(ちょっと難しい表現が出てくると)あーまた始まったと思う」と一刀両断され、「もっとケミーの小部屋とかを見習って…」と最も屈辱的な評価を下されたことと、先週末ついにDJデビューを果たしたひろこさんが、与えられたDJタイム45分ではうまく起承転結が表現できないとこぼし、「しょうがないから『起』の部分を削るよ」と、古代ギリシャのエレア派・ゼノンもビックリな「運動の不可能性」を論う哲学的な名言を仰ったことですかね。
で、僕は数年前まで杉並区の高井戸に住んでて、飲んだあとよくしんちゃんがうちに泊まりにきたんですよ。帰るのめんどくさいとか言って。それを思い出して、「西の海なんかくそくらえだ。今日おれはしんちゃんの住む埼玉に行くぞ!!」とか良くわかんないテンションになって居酒屋を後にし、女子2人と別れた後しんちゃんと二人、埼玉は北越谷へと向かったわけです。しんたろう氏の手には、先ほどの居酒屋で頼んだ焼酎のボトルの残りがしっかりと握り締められている。「いいぞ!」と僕は心の中で呟き、最終・北越谷行の東京メトロ半蔵門線に乗り込んだわけです(つづく)
※1読んでお分かりの通りあまり良く知らない。但しここで、フェルディナン・ド・ソシュールとセルティック・フロストの名を挙げなかったオレは少し大人になった。