ひとりごと既にいろいろなひとに指摘されていることではあるけれど、小林秀雄の『様々なる意匠』の中の有名な一節、 「方向を転換させよう。人は様々な可能性を抱いてこの世に生まれてくる。彼は科学者にもなれたろう。、軍人にもなれたろう、小説家にもなれたろう、然し、彼は彼以外のものにはなれなかった。これは驚く可(べ)き事実である」 という問題系は近代以降のこの国の文学が依然として中心に据えている重要なテーマであるなあと改めてふと思った。