読了。

 

主人公は26歳の絵本作家の女性・夏帆である。

本書の帯に「女性を主人公にした初の長編小説」と書いてあった。

 

夏帆─The Tale of KAHO─  (著)村上春樹

 

物語は、主人公・夏帆がブラインドデート(って何だ?と調べてみると、第三者の仲介により、相手のプロフィールなど知らないままデートすることらしい)した男性から、いきなり容姿について酷いことを言われるシーンから始まる。

 

その後、夏帆は足立区花畑から武蔵境に引っ越すことになるのだが、夏帆の父方の叔父が武蔵境について言ったことが、これまた酷い。

 

おれは学生のときに二、三度武蔵境に行ったことがあるけどさ、あれはひでえところだぞ。まさに文明の果つるところだ」(以下、太字部分は本書からの引用)

 

さらに、「見渡す限り野っ原しかない」「駅の改札で狸が帽子をかぶって偉そうに切符切りをやってた」と言いたい放題である。

 

武蔵境は、学生時代にJR中央線で通学していたので、実によく通った(下車したことはない、多分)。40年ほど前であるが…。

JR中央線の駅でもあり西武多摩川線の始発駅でもあったので、当時でもけっこう乗り降りする人は多かったように思うし、駅近くに「日本獣医畜産大学」(現在は「日本獣医生命科学大学」と校名変更されたようで、びっくり)もあり、野原などなかったぞ。

 

この叔父さんは夏帆にちょこちょこ電話をかけてくる。

ヴァルター・ベンヤミン」という人の「善き物語には、必ず何かしらの有用性が含まれている」という言葉を叔父さんが夏帆に語ったりする。

 

主人公・夏帆もこの「ヴァルター・ベンヤミン」は知っていた。

 

さらに、佐原という男性が「ヴァルター・ベンヤミンがいみじくも述べているように、善き物語とは必ず何かしらの有用性を含んでいるものなのだから」と夏帆に語る。

 

え、「ヴァルター・ベンヤミン」って有名な人なの?私は知らない。

調べてみると1892年生まれ1940年没のドイツの文学者、哲学者、批評家、社会科学者のようだ。うーん。何だか難しそう。「有用性」ねえ…。

 

そして、佐原がアメリカの作家「ジャック・ケルアック」を例に出して夏帆にある事柄の説明をする場面があった。

 

佐原は「君は若いからたぶん知らないだろうけど」と言うが、夏帆は「ケルアックくらい知っているわ」と言う。

 

え、「ジャック・ケルアック」も知りません。

1922年生まれ1969年没のアメリカの小説家・詩人で、「ビート・ジェネレーション」(1950年代の物質文明を否定し既成の社会生活から脱しようとする活動の総称)を代表する作家の一人だそうだ。代表作は自身のヒッチハイクの旅をもとにして書いた『オン・ザ・ロード』だそう…。ふむふむ。これは知っておいたほうが良いかも。

 

スカーレット・ヨハンソン」という人名も出てくる。

夏帆が「あの女優の?」と反応している。

1984年生まれのアメリカの女優さんで有名な賞もいくつか受賞しているようだ。

プロフィールを読んでいて、映画『真珠の首飾りの少女』で主人公の少女を演じたとあり、ああ、あの…と思い出した。

 

もし、上記の人名を見て、どんな人物か、どんな事柄に関わった人物なのか、何を象徴する人物なのか、そんなことを知っていたら、この物語の味わいも違うだろう。私は調べなければ分からなかったが…。

 

以下についても気になった。メモ。

 

ジェーン・オースティン『高慢と偏見』

夏帆の母が読んでいた文庫本である。単語としては聞いたことがある、見たことがあるレベルであった。19世紀はじめのイギリスの田舎町の良家の姉妹の結婚をめぐる様々な騒動を描いた作品。

 

パブロ・カザルスの指揮したバッハの『ブランデンブルク協奏曲』

夏帆の父のレコードコレクションのうちの一つ。

夏帆は子どもの頃、「パブロ・カザルスの指揮する『ブランデンブルク協奏曲』第二番ヘ長調」を「柔らかな栗色の毛並みの、たくましい熊さん」と評した。

 

ブラームスの『クラリネット五重奏曲』

夏帆の父親の長年にわたる愛聴盤で、何度も聞かされていた。

 

ドラクロワの「ダンテの小舟」

この複製画が夏帆の父親の病院の待合室の壁にかけられていた。

いったいどこの誰がこんな陰鬱な絵を、小児科医院の壁の装飾として選んだのだろう。この絵の意味がわかっているのだろうか?」と書かれていた。

 

上記の図書、楽曲、絵画を調べてみて、その「意味」を考えてみるが…うむむ。難しい。

まあ、これらはいいとして…

主人公・夏帆が物語中で体験する様々な不思議な事象は、何を意味するのか…。

これが大変難しかった。実は良く分からない。

 

物語では、絵本作家である夏帆の創作過程が何度も描かれてる。

夏帆は、ある物語に「象の卵」というものを登場させる。

 

それについて、

それは何かのメタファーなのだろうか?たぶんそうなのだろう。いや、ひょっとしたらそうじゃないかもしれない。

実はメタファーでもなんでもなく、単なる「象の卵」そのものなのかもしれない。

「象の卵」という以外の意味あいは何ひとつそこに含まれていないのかもしれない。

 

なるほどねえ。

この部分は村上春樹が読者に向けてのメッセージかも知れないなあ、ああ、難しい。

 

深いところを考えようとすると難しいが、物語がどう進んでいくかハラハラと楽しかったし、え、あれが?!と意外性も楽しめたし、何と言っても村上春樹独特の文章も味わえたので大変良い読書であった。

 

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「CAFÉ TANAKA 」(カフェタナカ)の日本橋三越本店限定「ビジュー・ド・ビスキュイ・プティ リオン」

 

 

「日本橋にゆかりのある素材や風景を思い浮かべ、ひとくちごとに幸せが訪れますようにと願いを込めて焼き上げた日本橋三越本店限定缶」と書かれてあった。

 

 

上左「ビスキュイ・スリジエ」日本橋界隈の春の桜並木をイメージ。

上右「プラリーヌ(キビ糖)&マポロン」

中左「ディアマン・ショコラ」濃厚ショコラにゲランドの塩

中右「ソレイユ・抹茶・セザム」抹茶生地は「松北園」の抹茶使用。

下左「サブレ・ココ・ジャスミン」ジャスミンティーの香り

下右「プティビズ・ダシカツオ(飛騨山椒)」なんと「にんべん」の鰹節を使用し青山椒の風味も効いている!

 

これは大満足なお味である!

しかも缶の側面には三越のライオンが描かれているのだ。

 

 

おお…。

 

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昨日、大雨のなか所用で玉川高島屋へ。

美味しいと有名な「ペリカン」の食パンに遭遇した!

 

 

以前から毎週月曜日に取扱いがあると知っていたが、なかなか出会うことがなかった。

スタッフによると、

朝からの荒天でお客さんが少なく、

まだ大きいサイズ、小さいサイズとも残っているので「選びたい放題」とのことだった。

どうしようかと迷ったが、小さいサイズを購入。

 

 

分厚く切ってトーストし、たっぷりのバターを付けて味わった。

おお、確かにむっちりと美味しい!評判通り。