読了。
9つの短編集。どの物語も大変幻想的な雰囲気である。
細長い場所 (著)絲山秋子
太字部分は本書からの引用である。
『翼とゼッケン』では、様々なお店に行列ができている。
うどん屋では、うどんを食べると「人生が書いてある紙」がもらえ、内容が気に入らなければ、別の店に行き、新たな紙を貰う。
そこでは、その店で貰えるものを求めて行列を作って手に入れるのだ。
『気配と残像』では、「気配」と「残像」の会話で物語が進んでいく。
『水と異者』には、こんなくだりも。
「思い悩むコストを手放し、多くのヒトは苦しみから解放されたように感じ。これが家畜化の始まりであった。(中略)ヒトもまた自身が異者に何を供給し、どのように管理されているのかを完全に知ることはなかった。規格食によって体が小型化していくことにすら気づかなかった」
この部分を読んだ時は、ゾッとした。
「異者」に「けなもの」と振り仮名が付いていた。
『わたし』では、「わたしが呼ばれたテーブルについていたのはわたしばかりだった。少しずつ様子は違うけれど、明らかにかれらは〈わたし〉だった」
その〈わたし〉とは、〈出世頭のわたし〉や〈戦争に行ったわたし〉〈猫を飼っていたわたし〉などの〈わたし〉たちが会話する。
河出書房新社Webサイトに、著者・絲山秋子氏からのメッセージが掲載され、その最後に「作品とご自身を行き来しながら読んでいただけたら」と書かれていた。
あちら側の世界、彼岸を連想する場所での物語。絲山氏からのメッセージのように、もし、この物語に自分がいたとしたら…と「作品と自身と行き来しながら」読み進めて行った。
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最近クッキー缶に凝っている。
ゴールデンウィークに世田谷区尾山台の「AU BON VIEUX TEMPS(オーボンヴュータン)」に行ってきた。
こちらは、20年前くらいに「ハッピーロード尾山台」にあった店舗に行ったきり。
いつのまにか移転したことは知っており、訪れたいと思いつつ…。
いつ移転したのだったけ、と調べてみると、なんと2015年だった!!11年前!えっ。
現在の店舗には、イートインもできるとのことで、ケーキを味わってきた。
いやあ、もう、こちらのケーキは本当に技巧的なのだ。
美味しかった!(1つは同行者のものである)
そして、求めたクッキー缶は…。
お洒落な缶である。
「Petits fours secs M(プティ・フール・セック(中))」である。
これは外れなし!全て美味しく、それぞれ味わいも違う。
何だか幸せだよねえ…。








