徳川美術館に行ってきた。

 

 

徳川美術館・蓬左文庫開館90周年記念 秋季特別展
「尾張徳川家 名品のすべて」

 

 

重要文化財を含む名品と、昭和から令和までの90年間の関連資料を通して、徳川美術館と蓬左文庫の全貌を紹介する展覧会。

 

 

「徳川家康画像(三方ヶ原戦役画像)」江戸・17世紀 絹本著色

 

 

解説によると、武田信玄に敗れた徳川家康が、その敗戦を肝に銘ずるため、命からがら浜松城に逃げ帰った時の姿を描かせたと伝えられているが史料的な根拠がないそうだ。

 

 

困って、ど、どうしよう…という雰囲気がよく出ている。

 

 

「青磁香炉 銘 千鳥」 徳川家康・徳川義直(尾張家初代)所持

大名物 南宋-元時代 13-14世紀

 

 

解説パネルによると、石川五右衛門が伏見城の秀吉の寝室に忍び込んだ時、この蓋の千鳥が啼いたため捕らえられたという話は浮説とのこと。つまり、根拠のないウワサ…。

 

 

この千鳥、大変可愛い。

 

 

 

重要文化財 「黒織部筒茶碗 銘 冬枯」 岡谷家寄贈 江戸時代 17世紀

 

 

解説パネルによると「織部の作品の中でも、特に文様が幾何学的で、その代表作として知られる名碗である」とのこと。

 

 

この黒釉を斜めに掛け分けてある「片身替り」という意匠は桃山から江戸時代初期にかけて流行したらしい。

 

 

何だかとってもモダンな感じ。

 

 

2019年に五島美術館のギャラリートーク「茶の湯における茶碗の画期」で、こちらのお茶碗が「ミロのような…」と紹介されていたことを思い出す。この角度から見ると確かに、ミロっぽい。

 

 

「柿の蔕茶碗 銘 京極」 京極家伝来 平瀬露香・佐野弥高亭旧蔵 高松家寄贈

朝鮮王朝時代 16世紀

 

 

『大正名器鑑』に掲載された高麗茶碗の優品だそう。

が、私が気になるのは…

 

 

この箱なのだ。可愛くないだろうか。

 

 

「御数寄屋 将軍御成時の置き合わせ」

 

 

 元和9年(1623)2月13日、二代将軍秀忠が尾張家の江戸・鼠穴屋敷を公式訪問である「御成」(元和御成)を行ったそうだ。

 その時の御数寄屋(小間の茶室)での置き合わせの再現。

 

 

水屋が気になる。

 

 

おおお。

 

 

能装束 「紅・白段雪輪・蒲公英文縫箔」 江戸時代 17世紀

 

 

白繻子地を白と紅の段に染め分け、雪の結晶を意匠化した雪輪と春に咲く蒲公英が師匠で表されているそうだ。

 

 

雪輪文の中に、ここでは松に藤が入っているが、他に桜、竜胆、萩などの四季の花が刺繍されている。美しい。

 

 

重要文化財「紫地葵紋付葵の葉文 辻ケ花染羽織」 

徳川家康・徳川吉通(尾張家4代)着用 桃山-江戸時代 16-17世紀

 

 

吉通が家康の遺品の中から選び、着用した羽織のようだ。

 

 

絞り染めの素晴らしい技術。もう、うっとり眺めるしかない。

 

 

重要文化財「掃墨物語絵巻」二巻の内上巻 南北朝ー室町時代 14-15世紀

 

 

解説パネルによると「白粉と眉墨を取り違えて化粧した娘の顔に、訪れた僧が驚き逃げ出してしまう。これを悲しんだ娘が仏心を起こして剃髪出家し、母尼とともに北野小野の庵で仏道に励むという物語」だそうだ。

 

 

左の女性が「白粉と眉墨を取り違えて化粧した娘」かな。

 

 

これが僧が逃げているシーンだろうか…。

 

絵巻物ってとんでもないストーリーのものがあると思う。

そのとんでもなさが好きである。

だいたい、白粉と眉墨を間違うだろうか。そして僧に会う前に誰かがそれを教えないだろうか…などと考えるのが面白い。

 

 

内藤東甫編「張州雑誌」 百冊の内 江戸時代

 

尾張の様々な風俗・事物の記録を絵とともに収録、編纂したものだそうだ。

 

生息する生物も描かれているとのことだが、エイもいたのだろうか…。

 

 

労働に携わる人々も記録されており、これは陶工か。

 

 

 

徳川義直(尾張家初代)編「神祇宝典」 十冊の内

江戸時代 正保3年(1646)

 

 

全国の由緒ある神社の祭神を歴史、由緒とともに考証した書物だそうだ。

表紙に使われてる布地も美しく、中の挿絵も美しい。

 

(つづく)