その1からの続き)

 

【Chapter 3  静嘉堂茶道具の粋 ―大名家の名宝、 “眼福”の逸品】

 

「猿曳棚(本歌)」 引戸板絵゠伝 狩野元信 室町時代(16世紀)

 

 

地袋板絵に猿曳(猿回し)が描かれている「猿曳棚」の「本歌」である。

これの写しが静嘉堂には3件あり、「本歌」合わせて計4件がずらっと展示。

 

 

新しい写しの引戸板絵はやっぱり美しく見える。

 

「猿曳棚(写)」 引戸板絵゠狩野永悳 明治18年(1885)
 

 

拡大するとこんな感じ。優し気で猿を気遣っているような?

 

 

こちらは一番左のもの。伝 橋本雅邦(明治時代・19世紀)とされる。 

 

 

こちらは自信たっぷりな顔。猿回しの技に自信を持っている感じ?

 

 

銹絵白鷺香炉」 野々村仁清  江戸時代(17世紀)

 

 

背中に3つ穴が開いてるのか、くちばしにも穴があり、色んなところから煙が出るようになっているようだ。仁清っぽい香炉かも。

 

 

「仁清数茶入 18口揃」 野々村仁清 江戸時代(17世紀)

 

 

解説パネルのタイトルが「『君台観左右帳記』(18口掲載)の絵を立体化?」とあった。

『君台観左右帳記』とは?調べてみると室町時代の芸術論の書だそうだ。書院の座敷飾りの方式、諸道具について図入りで解説されているらしい。

 

一つ一つ見ると、大変面白い。

 

これなんか、ちょっと中南米風では?

 

 

茶入というより、中にオイルとか、エッセンスが入っていそう。

 

 

え?囲炉裏に吊るされているお鍋にしか見えない!

お点前しにくそう…。

 

 

 

「片輪車螺鈿蒔絵大棗」 原羊遊斎 江戸時代 文政12年(1829)

「桐紋蒔絵茶杓」 原羊遊斎  江戸時代(19世紀)

 

 

金地に付描きで波、「青貝」(螺鈿)で波間の片輪車を装飾した大棗。

写真で見るとキラキラだが実際はシックな感じ。

 

 

細身で美しい。蒔絵の茶杓には憧れる。

 

 

「呉州赤絵酒会香合」 漳州窯 明時代(17世紀)

 

 

解説パネルに、本作品は「呉州赤絵」と呼ばれ、日本人に好まれてきたと書いてあった。確かに、可愛らしく、私も好きである。

 

 

「祥瑞鳥差瓢簞香合」 景徳鎮窯 明時代(17世紀前半)

 

 

解説パネルに「祥瑞は中国明末の景徳鎮窯産の青花磁器で、吉祥をあらわす細密な地文と鮮やかな青紫の発色を特徴とする」とあった。

 

 

こちらの絵柄は定型どおりではないようで「間違えた図」らしい。

まあ、しかし可愛い鳥ではないか。

 

 

「交趾蓮花文水指」 明時代(15~16世紀)

 

 

産地は不詳だそうだ。「交趾(こうち)」はベトナムの一地方を示し、日本ではこの種のやきものを「交趾焼」と呼んできたが、中国では「法花」というらしい。山西・河南周辺、景徳鎮窯ともされているらしい。

 

 

どこで作られた分からないが、美しい。あまり見たことがないような…。

 

 

【Chapter 4  名宝を伝えゆく“茶の湯” ―淀藩主稲葉家から岩﨑家へ】

 

最後は、国宝「曜変天目(稲葉天目)」、旅箪笥などが展示されており、大満足のうちに鑑賞を終えた。

 

いやあ、本当に「眼福」であった。