三井記念美術館に行ってきた。
「五感であじわう日本の美術」展である。
本展覧会は、夏休みに合わせて企画されている「美術の遊びとこころ」シリーズの第8弾だそう。
公式webサイトに「人間が持つ五感を活用しながら、絵画や工芸品を鑑賞していただきます」とあり、本展覧会の解説パネルには鑑賞のポイントなど書かれてあった。大変分かりやすく、参考になった。
展示室1 「Ⅰ.味を想像してみる」
「交趾釉兎花唐草文饅頭蒸器」 永樂保全作 江戸時代・19世紀
この美しい器は、「饅頭蒸器」なのである!
解説パネルによると、底に蒸気を通す穴があるそうだ。
つまり、この器の中に饅頭を入れて、せいろにいれて加熱するのだろうか…。
使い方が気になる。底にある蒸気を通す穴も気になる!
テーマは「味を想像してみる」だが、私はこの器の蓋を取って中が見てみたいと思った。それにしても可愛い器である。
展示室4
なんと、誰もいなかった。なんという贅沢であろうか。
「Ⅱ.温度を感じてみる」
「山水図屏風」 円山応挙筆 江戸時代・安永2年(1773)
解説パネルによると、右隻は三保の松原を連想させる海辺の風景を、左隻に中国の山水を描き分けた屏風だそう。
テーマの「温度」、感じました!
右隻には、海に小舟が浮かんでいる。
こういう小舟に乗っている人物を観察するのがたまらなく好きである。
何か荷物を運んでいるのだろうか。船の上には何があるのだろうか。
風が吹いている感じ。涼しいだろうなあ。
松の苔も良いアクセントになっている。
左隻にも船が描かれている。
こちらは人を運んでいるのか。
険しい山道を歩く人物とお付きの者。
「水郷之図」 竹内栖鳳筆 昭和時代初期・20世紀
撮影ができると表装まで記録できるので嬉しい。
温度だけでなく湿度も感じる。
「京都名所十二月 (六月)」 川端玉章筆 明治31年(1898)
6月の京都・四条を描いた作品。
人々が提灯を下げているので夜の風景であると解説パネルにあった。
手前の人物がシルエットで描かれているところも夜らしい。
「滝に亀図」円山応挙筆 江戸時代・天明8年(1788)
これは涼しい!滝である。
ゴーッという音まで聞こえてきそうである。
「Ⅲ.香りを嗅いでみる」
「水仙図」 円山応挙筆 江戸時代・天明3年(1783)
解説パネルによると、北三井家4代の高美は円山応挙と深く交わっており、この絵は高美の一周忌に描かれたものだそうだ。
優し気に描かれており、うっすらと香りが漂ってくるようだ。
(つづく)