皇居の大手門をくぐって、
三の丸尚蔵館に行ってきた。
「皇居三の丸尚蔵館 開館記念展 皇室のみやび―受け継ぐ美」展の第4期「三の丸尚蔵館の名品」である。
国宝「春日権現験記絵 巻一」高階隆兼 鎌倉時代 延慶2年(1309)頃 絹本着色
昨年2023年11月に第1期「三の丸尚蔵館の国宝」を鑑賞。その時は「巻十二」で、今回は「巻一」である。
第二段 竹林殿事
藤原光弘が、夜な夜な光っているところがあるので行ってみると高貴な女性がいて子孫が富み栄える所だと告げられる。そこに「竹林殿」という館を建てて移り住むという物語。
竹林殿の普請の様子。
なかなかこの普請の様子がリアルなのである。
例えば…
この左の男性、鼻をつまんで、容器の中身を捨てている。
もしや、汁物が腐っていたとか?
左の人物は大丈夫か?
これは何をしているのだろう…。ハイタッチ?のような?
そして左の人物の左側のものは鉋屑?
作業を終えて帰っていくシーン。
道具といっしょに鉋屑(?)も持ち帰っている。
右上の女性は竹林に座っているらしい。夢の中の登場人物だそう。
館の中には眠っている主人たち。この主人が夢を見て、お告げを聞いているのだろう。
テーマは春日明神による奇跡や夢告だが、描かれている人々がリアルで、そんな人いそうだよね、という表情なのである。
また、「春日権現験記絵」の違う巻が公開されたら見に行きたいと思う。
「天子摂関御影 天皇巻」藤原為信・豪信 鎌倉~南北朝時代15世紀 紙本着色
この巻は鳥羽天皇から後醍醐天皇まで途中4人を除く歴代19人の天皇と後高倉院が描かれている。
右側の鳥羽院から始まる。
ずっと順番に見て行くと、「この人とこの人の鼻のあたりがソックリ」とか、「目は同じだけど輪郭がソックリ」とか、なかなか興味深い。
まあ、皆さま血族なわけなので似ているよねえ。
このお二人はソックリ。
左は最後、後醍醐院。右の花園院とは似ていない感じ。
国宝「動植綵絵」 伊藤若冲 江戸時代 18世紀 絹本着色
「老松孔雀図」
孔雀の首から羽の部分がもう…、美しすぎる。
「諸魚図」
こちら、2016年の東京都美術館「若冲展」で見ているはずなのであるが、全く気付かなかったところがある。
蛸の足に小さな蛸ちゃんが!!
可愛い~!!
私の持っている「若冲への招待」(朝日新聞出版)の「動植綵絵」のページを見てみると・・・・、「特に大きく描かれている蛸の足先には、しっかりとつかまった子蛸が描かれユーモアがある」と解説されていることに今、気づいた。見どころだったのか。
私としては、こちらの表情も好きである。
「へへっ」と言っているように感じる。
「蓮池遊漁図」
このあたり、特に美しいと思う。
「芙蓉双鶏図」
「双鶏」がメインだと思うが、私はこちらに魅かれてしまう。
つづく