本日は東京国立博物館に行ってきた。
入口付近を見てビックリ。長い列ができている。特別展の「中尊寺金色堂」の待ち列であった。
私は、春の恒例企画「博物館でお花見を」の鑑賞に来たので、待つことなく入館。
春の風景を描いた絵画、花見を楽しむ人々を描く浮世絵、桜をモチーフにした工芸作品などが多く展示されていた。
「飛鳥山図」 鍬形蕙斎筆 江戸時代・19世紀 絹本着色
王子の飛鳥山、左手に王子権現、遠くの川は隅田川、そして筑波山も描かれている。
私にとって、鍬形蕙斎は「鳥獣略画式」のイメージが強い。ああ、こんな…風景画も描くのね…と失礼なことを…考えたり、それにしても素敵な風景である。
「東都名所・吉原仲之町夜桜」 歌川広重筆 江戸時代・19世紀 横大判 錦絵
構図がとても良いと思った。
「梅鴛鴦・若松春草図」 田中抱二筆 江戸時代・19世紀 紙本着色
左は白梅に鴛鴦、右はすみれ、たんぽぽ、わらび、若松。
田中抱二は、酒井抱一の直弟子。
「扇面雑画 蕨と蒲公英」 酒井抱一筆 江戸時代・18~19世紀 紙本着色
こちらが上の田中抱二の師匠・酒井抱一。見比べると、なるほど、という感じ。
「草花図」 板屋桂舟(弘延)ほか筆 江戸時代・19世紀 絹本着色
実物はもっと明るく綺麗である。
左は薄など秋の草花、右は菜の花、たんぽぽ、福寿草など春の草花が描かれている。
「桜花図」 円山応挙 江戸時代・安永5年(1776) 絹本着色
山桜の枝に鶯がとまっている。
「犬追物図屏風」 筆者不詳 江戸時代・17世紀 紙本金地着色
解説パネルに「犬追物とは弓術の作法をみがく伝統競技」とあった。
それは中学校の社会科の授業で習ったような気がするが…
上の屏風の真ん中部分を拡大してみた。
こんな、相撲の土俵のような場所で?
そして、「傷つけない細工の矢で走る犬をねらうものです」とのこと。
おお、矢の先に何だろう…これは…(赤丸の部分)まあ、当たったら痛いだろうが突き刺さりはしないようになっている。
「三島写桜文茶碗」 永樂保全作 江戸時代・19世紀
白色象嵌で茶碗の内外に桜の模様が作られている。
何とも美しい作品。うっとり。
重要文化財「四季山水図屏風」 楊月筆 室町時代・15~16世紀 紙本墨画淡彩
「瀟湘八景」のモチーフが所々に描き込まれていると解説パネルにあったが、私は、描かれた人々が何をしているのかが気になる。
川に浮かべたこれは何だろう。
魚を取るための何かの仕掛けだろうか。
「鼠草紙」 筆者不詳 江戸時代・18世紀 紙本着色
鼠の権頭が良縁を願って清水寺に参詣して、美しい姫と出会ったシーン。
解説パネルによると、この時、鼠の権頭は100歳を超えていて、姫は17歳だったとのこと!
こちらは婚礼の様子。
宴の準備。
上部にお茶の準備が描かれている。
こちらはご馳走の準備。
座って調理しているんだなあ。
「桜蒔絵十種香箱」 江戸時代・19世紀 木製漆塗
美しい!
ちょっと分かりにくいが引き出しになっているのである。
黒漆塗に、桜や花弁の模様は金、銀、朱の蒔絵、それに金貝を交えて描いていると解説パネルに書いてあった。
金貝とは?と思って調べたら、蒔絵に張り付けるための金、銀、錫などの金属の薄片のようだ。
「双鳩」 平福百穂筆 昭和6年(1931) 絹本着色
昭和の作品ということで、大変色が美しい。
この後、東洋館へ。つづく。