2回の旅行中に読んでいた。
高校生が「ジェーン・エア」を読んで書いた感想を読んだ。
「幸せとは何かと考えた」そうである。
ふむ…。
「ジェーン・エア」は大変有名な作品であり、だいたいのあらすじは知っているものの、私は未読であり、興味が出てきたので読んでみることにした。
読むにあたり、どなたが訳したものを読むか…それが重要である。
近所の図書館の開架で見つけたのが、河島弘美訳の岩波文庫「ジェイン・エア」、大久保康雄訳の新潮文庫「ジェーン・エア」の2種類。
どうやら大久保康雄訳が「定番」のようだ。
1949年に単行本で出版され、その後、新潮文庫で発行、私が手にしたものの巻末の「解説」は最後に「1960年夏」と記されている。
調べてみると、村岡花子訳のものもある。
「赤毛のアン」シリーズも複数の訳者による翻訳があるが、私はやっぱり村岡訳がしっくりする。その村岡氏の「ジェーン・エア」、ちょっと読みたいかもしれない。
そして、河島弘美訳が最新版だろうか。2013年に出版されている。
大久保訳と河島訳を比べてみることにした。(太字は引用)
【大久保康雄訳】
ジェーンが引き取られたリード家のメイドであるアボットのセリフ
「(略)あたし、夕食にはウェルシュ・ラビット(訳注 チーズをとかし、ビールと混ぜて焼きパンにぬったもの)が食べたいわ」
同じくメイドのベッシイが「あたしもよーー焼き玉ねぎを添えてね。(略)」と答える。
【河島弘美訳】
アボットのセリフ「(略)夕飯のことだけど、あたし、チーズトーストが食べたいな」
ベッシーが「あたしも。焼き玉ねぎ付きでね。(略)」と答える。
この部分の大久保訳を読んだとき、「ウェルシュ・ラビットとは?」と思った。
訳注はついているがイメージが湧かない。
検索してみると、イギリスの伝統料理で、チーズ、バター、ビール、卵黄、ウスターソースを混ぜて作ったソースをパンに乗せて焼いたもの。
写真を見ると、パンに「とろけるチーズ」をのせてトースターでこんがり焼いたもののようだ。ビールが入るとどんな味になるのか…、ウスターソースまで入っている。
かつて数度イギリスには旅行で訪れているが、食べたことがないかも知れない。
一方、河島訳だと「チーズトースト」。
私の頭にはダイレクトに、パンにとろけるチーズをのせてトースターでこんがり焼いたもののが浮かんだので、大久保訳の時にように「引っかかる」ことなく先を読んだ。
なるほどねえ。やっぱり訳者によって大きく違うよねえ。
細かい点の味わいは大久保訳を読むことにして、まずは軽やかな河島訳で物語を追ってみようと思った。
ジェイン・エア(上)(下) 著)シャーロット・ブロンデ 訳)河島弘美
物語のキーワードは、孤児、親戚に引き取られる、意地悪な親戚、寄宿学校、大金持ちの雇い主、身分違いの恋、思わぬ遺産相続…
かつてのテレビアニメの世界名作劇場で取り上げられた物語の数々、少女漫画雑誌「なかよし」で連載されテレビアニメーション化された「キャンディ・キャンディ」でも同じような設定があり、割と定番というか、何というか…物語として筋が予想ができるような感じではあるが、主人公ジェインが大変魅力的で引き込まれた。
物語は今から160年前くらいの世の中であろうか。
それにも関わらずジェインが現代的というか、精神的に非常に自立した強い女性、しかも冷静であることに感動し、その行動には驚かされ、又、共感を覚えたりする。
ジェインの半生を描いた、この物語が長く読み継がれ、多く映画化され、劇場でも演じられている理由が分かった。
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新潟伊勢丹の地下食料品売り場で求めたもの。
伊勢丹には新潟銘菓コーナーがあるのだ。
創業大正5年の「御菓子司 羽入」の「三色団子」。
包みを開けると、お団子は見当たらず、黒胡麻、白あん、こしあん。
楊枝とスプーンが付いている。
この楊枝で、あんこの中から団子を探り出す。
とりあえずお皿の上に出してみた。
お団子が美味しいのは、新潟のコシヒカリを使っているからだよなあとしみじみと食べた。