昨日は府中市美術館に行き、そして、今日は町田市立国際版画美術館である。

「行けるときに行く」作戦である。

 

 

「版画の見かた」展。

平日とあって、かなり空いていた。

 

 

まず、凸版、凹版、平版、孔版の四つの技法を紹介する映像を見た(これは町田市立国際版画美術館公式サイトでも視聴できる!)。

非常に分かりやすい。

その知識を踏まえて、各技法を使った作品を鑑賞。

 

一部の作品が写真撮影可で、嬉しい。

 

「今様見立士農工商 職人」 三代歌川豊国 1957年刊 木版(多色)

 

 

浮世絵が分業によって制作されていた様子。

 

「聖母の死」 レンブラント・ファン・レイン 1639年 エッチング、ドライポイント

 

 

展示室で配布されていた「版画の技法 用語解説」によると、

版面にニードル(とがった針)などで直接引っかくように描くのがドライポイント、

エッチングは金属板に防蝕剤を塗り、ニードルで引っかくように線描し、酸の溶液に浸し、線描した部分を腐食させ、その窪みにインクをつける。

エッチングは高校の美術の時間に体験したことがある。

 

「村の婚礼」 シャルル=メルシオール・デクルティ(板刻)、ニコラ=アントワーヌ・トネ(原画)

1786/88年刊 エッチング、エングレーヴィング(多色・5版)

 

 

エングレーヴィングもドライポイントと同様に直接彫って版に凹部を作るそう。

「版画の技法 用語解説」によると、違いは使う器具で、エングレーヴィングはビュランという鋭い彫刻刀、ドライポイントはニードルという尖った針。

 

 

それで、本作品は5版摺りなので・・・・

 

 

このように各版単独の摺りと、合わせていくとどうなるのかが示されていた。

すごく自然な色合いが完成し、上の作品となる。

 

歌川広重の「東海道五拾三次之内 庄野 白雨」順序摺 全27点とあり、

順序に沿って見ていたら・・・・なんと、途中で終わっていた!!

後半部分は、後期展示になるらしい・・・えええ。

後期展示も見たい。

 

このほか、

 

「阿蘇五景」(全5点)より2点 坂本繁二郎 1948年刊 木版(多色)

のんびりとほのぼのとした雰囲気の木版画。良いな。

アーティゾン美術館で油彩の「放牧三馬」を見たが、ちょっと違う感じで、こんな木版画も描くのかと少し驚いた。

 

「観古図説陶器之部」(一~五) 蜷川規胤(編) 1876~77年刊 リトグラフ、手彩色

陶器の図説で、これがまた、写真のような素晴らしい図(というか作品)なのである。

写真より味があるというか・・・

※美術館で配布された資料には「蜷川規胤」とあったが、検索してみると「蜷川式胤」が多くヒットした。

根津美術館で「大正名器鑑」を見ているので、この「観古図説陶器之部」は非常に興味がわいた。

 

本展覧会の資料が豪華。

 

 

左のカラーの冊子が展示リストなのだ。

中はこんな感じ。

 

 

全作品がカラー写真で紹介されているということはないが、これは嬉しい。

 

美術館の喫茶室、「喫茶けやき」にも行った。

 

 

モンブランにした。

このケーキは軽井沢に本店がある「ミカド」製だそうだ。

とてもトラディショナルな美味しさ。