読了。

図書館の「茶道」のコーナーで見つけた。

 

 

サブタイトルは、「全国から選んだ茶席の名菓230品」。

 

1月は「初春」、「客迎え」、「稽古始め」と月ごとに行事別に名菓が写真とともに紹介されている。

お菓子と器の組み合わせが素敵で、大変勉強になり、お菓子の説明も「なるほど!」と興味深い。

 

和菓子の扱い方、お菓子の歴史など文章部分も勉強になった。(太字部分は本書からの引用)

 

蒸菓子を主とし、上用(薯蕷)とよぶ饅頭は昔は表御座所、いわゆるお上に用いられ、餅菓子は女房方の御用というようになっていました。

菓匠の名も蒸菓子を専門にしたのは「鶴屋」、餅菓子を専門としたのは「亀屋」と称したといいます。

 

ええええ!

デパ地下でよく見かける「鶴屋吉信」は蒸菓子が専門?

公式サイトによると、享和3年(1803)に京都で創業、嘉永7年(1854)に「京都所司代認可の上菓子屋仲間に所属」とある。ふむふむ。なるほど・・・。

 

名碗を観る』に利休が茶会にしばしば用いたように書かれていた「ふのやき」。

本書にはこうある。

 

「麩の焼」にはいろいろ説があって、材料に麩を使ったか、単に小麦粉を水でといて使ったか、はっきりしないが、ともあれこれを平鍋で薄く焼いて味噌を塗り、巻いたものというから、一種のクレープのような、まことに素朴な菓子と考えてよさそうだ。
 

とのことだ。ほう・・・。

 

こういう書籍を手元において、日々、楽しむのも良いなあ・・・。

状況が落ち着いたら、お菓子を楽しむ旅などしたい!

と、発行日を見ると、なんと平成15年8月2日とある。2003年の発行だったとは・・・。

現在では新品のものは手に入らないようだ。

 

調べてみると、同じく淡交社から『今月使いたい茶席の和菓子270品』という書籍が2011年に発行されている。こちらは、本書のリニューアル版だそう。230品から270品に増えている!

 

 

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愛知県半田市の松華堂。

 

 

本書には、1月のお菓子として「千代の糸」、7月の七夕「織姫」、8月のお盆「万灯火」、9月「雁宿おこし」、11月の開炉「暁」、12月「初霜」、「埋み火」など多く紹介されていた。

お菓子には、三重県特産の伊勢芋が使われているものも多い。

なんだか親近感がわくのであった。

 

こちらは「夏の空」という棹物。

 

 

説明に「遠い山にかかる薄雲と緑の里山のコントラストは夏ならではの風景です。そんな情景を軽羹風の蒸し物と羊羹、浮島を重ねて表現しました」とある。

 

 

こんな感じである。

おお、確かに、山にかかる薄雲、緑の里山がキレイに描かれている。

 

 

江波冨士子氏の玻璃茶碗「夜空」と。

冷たいお抹茶も美味しかった。