急いで読了。

絵画に関係する人を主人公にした短篇集。

 

常設展示室  (著)原田マハ

 

 

最後の物語、「道 La Strada」の主人公は、芸術大学の教授であり、華麗な経歴、自身の美貌もあり、テレビ出演も多く、各種美術賞の審査員の経験もあるという「飛ぶ鳥を落とす勢い」の40歳代前半の女性。

 

その主人公が新人芸術家の登竜門と賞される美術賞の最終審査に提案した時間が「3分間」だ。

本書にはこうある。(太字部分は、本書からの引用)

 

作品が観る者の関心を奪うのには一秒もかからない。第一印象が決まるのには三秒。細部が見えてくるのに十秒。それがすぐれた作品と察知するのに、もう十秒。」

 

そして、「あとの時間は作品とのコミュニケーションだ。もっとも楽しい時間である。二分三十秒、作品と対話し、心ゆくまで遊べばいい。」

 

さらに、「ほんとうの感動は作品を観終わったあとについてくる。」

 

美術館での鑑賞の場合、「そこを出て、食事をして、電車に乗り、帰宅し、眠る直前まで、観た人の一日を豊かにし続ける。それが名作というものだ。」

 

なるほどねえ。

 

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11月末に訪れた江波冨士子氏の個展で購入した作品が年末手に入った。

桐箱の準備とかで、年明けと聞いていたが、早く仕度ができたとのことで、いそいそと取りに行った。

 

 

作品名の書かれた桐箱。何だか興奮する。

 

 

小ぶりの棗である!

キャー!

宇宙を眺める気持ちでガラスの奥を眺めた(すみません、表現が貧困で)

 

 

蓋を開けたところ。

現在、まだ使用しておらず、いそいそと箱を開けては眺め、眺め終わったら仕舞い、そして・・・という状態。

やっぱり、綺麗に整えた環境で美しいものは飾りたいよね。