読了。

ソノミは還暦を3年後に控えた作家である。

そのソノミの日々の物語。

何だか、共感できる事が多かった・・・。

 

作家ソノミの甘くない生活  (著)群ようこ

 

太字は本書からの引用である)

 

主人公ソノミは、「着々と老人に近づいているのが分かっているので

 

体力がなくなってきて、重いものの買い出しに難儀するようになったり、二日に一冊のペースで、たくさんの本を読みまくっていたのに、読むという行為ですらしんどくなってきた。仕事も家事もはかどらない。部屋の片付けをしようとしても、一気にやるのはとても無理だ。少しずつ休みながらやるのだが、途中で飽きて、」

 

これはとても分かる~という感じである。

本当に読書量が減ってきた。

そして「飽きて」くる。

 

ソノミの仕事については、

昔は四百字詰めの原稿用紙、三十枚くらいだったら、一晩で書き上げたものだが、最近は十枚程度のものでも、一気には無理だ。集中力が続かずにすぐに飽きてしまう

 

これも本当によく分かる!

仕事についての経験年数は増えてきて、能力としては高まっている部分もあるかと思うが、

如何せん「集中力」が・・・

 

そしてこの部分!

 

ソノミが原稿を書きはじめた頃、校正者(中略)は何でも知っている存在だった。」

 

校正者ではないが、校閲者が主人公の「校閲ガール」、「校閲ガール トルネード」を思い出す。

かなり頼れる存在だったような。

 

ちなみに校閲は、内容の正誤などを確認する作業で、校正は脱字や誤字などをチェックする作業らしい。

ほー。確かに・・。

 

以前は語句の用法や表現法が間違っていたり、事実の確認などがチェックされていたが、最近は校正者がしらない事項をチェックするようになってきたのである。それも難しい事柄ではなく、調べればすぐにわかるのだけど、それをしないで自分が知らないと疑問としてチェックをする

 

物語では、名古屋帯と博多帯について、「違いが分からない」とチェックが入ったようだ。

これは衝撃的。全く違うジャンルのものだろう。

 

そして、

 

「業界の業績が悪くなると、いろいろな部分にほころびが出てくる。ソノミがちょっとおかしいと感じはじめたのは、出版社の経理ミスが多くなったのがきっかけだった。それまでは出版社の経理ミスなど、まったくなく完璧だった。二十年間、毎月何件もの仕事をしてきてゼロだったの。ところが、ここ七、八年の間に、えっと驚くようなミスが起こるようになった。」

 

原稿料の振り込み明細にミス、枚数が少なく記載されていたようだ。

又、ミスで多く振り込んだから、返金して欲しいと出版社から言われ、ソノミが銀行に振り込みにいったと書いてあった。

 

いやあ、これは・・・何となく「ああ、そういうこと」と思う。

経理関係が人数不足でミスが起こるのか、それとも人材の登用ミスか、チェック機能が働いていないのか・・そもそもチェックする人がいないのか。

 

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最近食べたパスタである。

「明太子といくらの冷製カッペリーニ」

 

 

どさっ!といくらが入っていて贅沢。冷製なので今のこの暑さをしのぐのにぴったりだった。

 

同行者が食べたのは「雲丹のクリームスパゲッテーニ」。

 

 

・・・・。私の写真の腕前が今ひとつ。

味見させてもらったところ、凄く美味しかった!次回はこれが食べたい。