アマゾンをめくっていたら、面白そうな新刊本を発見。タイトルは、
「ロシア宇宙主義全史 神化思想からトランスヒューマニズム・人新世へ」
へー、フョードロフや共産主義者ボグダーノフを扱った、こんな作品が日本語で読めるんだ。今月発売だ。どちらの人物についても興味はあるのだが、表層的になぞった程度。またロシアの宇宙主義についても、だいぶ前に、英語での概説書を読んだことがあるが、あくまでも紹介本にしかすぎない。
しかしいったいどんな日本人がこんな本を書いたのか。著者検索で調べてみると、10年ほど前に同じくロシアをテーマとした作品を講談社選書メチエから出しているようだ。これも、タイトルからしてesotericな雰囲気を醸し出している。とはいえ、まずこの著者の10年前の作品(「ロシアあるいは対立の亡霊」)をまず読んでみてから、この新刊(「ロシア宇宙主義全史」)に向かったほうがいいだろうと思い、図書館で借りてきた。
丁寧に読んでみたのだが、よくわからなかった作品だった。もともとこの種のポストモダン関係の作品には、用語や文体とその理論展開を含めて、まったく土地勘がない、というより、意識的に避けてきた領域だ。そこにロシア語文献がずらっと参考文献に並ぶ。「あるべき理想の未来を描いた社会主義リアリズムの非現実性」など部分的にはなんとか理解できる部分もあったが、結局のところ、よく全体像をつかめず、独りよがりの読書体験に終始した感が強い。
さて、この新刊の「宇宙主義全史」どうしようか。著者には、「リアリズムの条件: ロシア近代文学の成立と植民地表象 」というタイトルの作品もある。これも面白そうなのだが。


