いまさらロシア革命史でもない。

 

もちろんワテはロシアの専門家ではない。とはいえ、これまでも伝記を含めると、

E.H. Carr

Deutscher

Trotsky

Richard Pipes

Robert Serviceなどの相当な数の作品を読んできた。

 

最近では、あくまでも小説だが、ロシア革命を題材としたSolzhenitsynの「Red Wheel」大シリーズ(全巻で4000ページにも及ぶ)をも読んでいるところなのだ。

 

この作品も出版時の2017年(ロシア革命100周年)から知ってはいたが、いまさらとの感もあり、また著者のだいぶ昔の作品「The Red Millionaire: A Political Biography of Willy Muenzenberg, Moscow’s Secret Propaganda Tsar in the West」があまり面白くなかったこともあり、これまでは手を出すことはなかった。

 

 

ただ結局また読んでしまう羽目となった。それもあっという間にだ。ワテはロシア革命マニアでもあるのだ。

 

ここ最近のロシアのウクライナ侵攻がその一つの要因だろう。人間はいつも現在を過去に読み込もうとするのだ。もう一つは、福井義高氏が、Youtubeで著者(Sean McMeekin)の新著「Stalin's War」を紹介しており、その中身(目次)をamazonで検索してみると、やはり「Stalin's war」の前篇ともいうべき、本作品を読まずには、この「Stalin's war」も十分に咀嚼できないのではという思いが強くなったためだろう。

 

 

さてその中身はというと。副題は、new historyと銘打っているのだが...。

 

本書の肝は、レーニンという「特異」な人物のマキャベリスティックな戦略論とどの時代にも現れてこざるを得ない独ソ関係の「闇」なのだ。