ある方のyoutubeで推薦されていた作品。「学者の暴走」とは言い得て妙。中身は、なかなか面白い部分と若干の勇み足が混合している作品。

 

面白いのは、第一章「新型コロナウイルスと悪魔の科学」、第二章「科学とは何か」、第四章「世界の学問の危機」。

 

第一章では、政治化するコロナウイルスの起源論争が生物学会の想像を絶する実態と絡めて説明されていく。生物学者の倫理意識の欠如と国境を越えた機能獲得研究の危険性、そして生物学者や学会の沈黙の秘密が明らかにされていく。思った以上に根深い問題との認識をあらたにした。自己実現にドライヴされた学者たちを抑制するものはないのだ。

 

第二章では「科学とは何か」という大きなテーマの中で、科学一般、自然科学と社会科学(科学ではなく、むしろ人文学と呼ばれるべき)の区別、学者による恣意的な煽情的な情報発信と客観的な事実の抑圧が取り上げられる。政治的動機で学問の世界に侵入している社会科学のケースはいうまでもなく、金銭的動機で多額の予算を獲得してきた地震「学」も醜悪な姿をさらしている。

 

第四章では猛威を振るうジェンダー学の現状が取り上げられている。日本での教養学部の廃止が理系やの教員や学生をジェンダー学やポリコレの支配や影響に対する防波堤になっているというのは実に皮肉な話だ。

 

 

 

 

時々粗っぽい議論が展開される部分は見受けられるが、いくつもの面白い論点が提示されてる作品。