最近、Philip Roth 「The plot against America」という作品を読んだ。そこでは,1940年の大統領選挙で、フランクリン・ルーズベルトがリンドバーグに敗れ、アメリカに親独政権が成立したらどうなっていたかという問いが主題となっていた。それを読み終えた後にふと思い出したのが、この「Oswald Mosley」だった。この作品は数年前(2015年)に相当な価格で中古で手に入れたのだが、200ページほど読んで中断したままだった。中断した後の、この数年のうちに、トランプ大統領の当選、Brexitなどの出来事が起きており、このOswald Mosley (OM)も従来のちょっと際物趣味とは違った、新しい視角から眺めることが可能になったともいえる。
この作品を手に入れたきっかけは、skidelskyという人物を知ったことにある。実は忘れてはいたが相当前に2000年ごろか、どういうわけか彼の「Keynes vol1」を読み始めたことがあった。もっともこの作品も途中で中断したままなのだが。
その後、2008年の金融危機後に出た「Return of the Master」を初めて読み切り、彼の面白さに目覚めたわけだ。それからは、[How Much is Enough」や「Britain Since 1900 - A Success Story?」 を読みたどり着いたのが、彼の若かりし頃の作品(1975年初版)であるこの「Oswald Mosley」だった。
このOMという人物、知る人ぞ知るという人物だ。いや、英米のある一部ではいまだに蛇蝎のごとく嫌悪されているといってもいい人物だ。日本では、「ファシスト群像」という作品で軽く取り上げられているくらいだろうか。というのは、British Union of fascist党(BUF)の党首だった人物なのだ。そう、英国のファシスト。なんか今回はskidelskyの作品紹介で終わってしまったようだ。中身はまた次に。