時代は文化・文政時代か?

 

一年ぶりにこの「公事宿事件書留帳シリーズ」を読みました。ま、いわゆる連作ものです。小説としてのアラを探せばきりはないのですが、「それを言っちゃおしまいでしょ。」アラを含めて一定の時間で定番のフォーマットを楽しむのが「粋」というもんでしょうか。この第五巻では、主人公の俳句の話に絡んで、このシリーズの時代がわかりました。「蕪村の死去した天明3年から30数年後」と出ていますので、1783年プラス30年、となると1813年以降、となると文化文政時代ということになりますか。まー、いろいろな意味で弛緩した時代なのでしょう。出てくる事件は、刺青、心中、美人局、博打、相続、悲田院、火鉢の毒、がらみ、といつもの話題ですわ。