勝手に論愚選
【毎日俳壇2026.04.14】
[片山 由美子 選]
むらさきの犇(ひしめ)き合(お)うて紫荊(はなずおう) (町田市 枝澤 聖文)
雛(ひな)の間に立て掛けてある祖母の琴 (岡山市 和田 大義)
添削の一字の重み誓子の忌 (福岡市 山本 眞弓)
夕刊を畳みしあとの春愁 (千葉市 青山 希久子)
囀(さえず)りの重なり合へる森の中 (相模原市 はやし 央)
ほつれ糸そつと隠して春ショール (春日市 林田 久子)
[小川 軽舟 選]
風に知る海の近さや鳥雲に (東京 金谷 白道)
ボクシングジムの大窓初燕 (東京 石川 黎)
菜の花や一歩も退かぬ海の青 (明石市 鳥谷 喜代孝)
杉折(すぎおり)に並びて届く初諸子(もろこ) (東京 山口 治子)
[西村 和子 選]
春暁やねむりの端の水の音 (加古川市 中村 立身)
海荒るる夕べ帰雁の列高し (龍ケ崎市 小宮 光司)
春浅しまだ定まらぬ空の色 (青森市 小山内 豊彦)
大仏の肩に並びし雀の子 (常陸太田市 舘 健一郎)
江ノ電の傾(かし)げば傾ぐ春の海 (川越市 益子 さとし)
[井上 康明 選]
ゆふぐれや峰々春のにほひする (市川市 高野 厚夫)
うららかや指それぞれが持つ名前 (横浜市 菅沼 葉二)
飛花落花天竜線の一両車 (座間市 谷口 麻里子)
花筏(はないかだ)首をのべたる鷺佇(た)てり (甲府市 清水 輝子)