勝手に論愚選 【日経俳壇2024.04.20】 | 論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

「小人閑居して不善を為す」日々大欠伸をしながら、暇を持て余している。どんな「不善」ができるのか、どんな「不善」を思いつくのか、少し楽しみでもある。

 アラコキ(アラウンド古稀)世代が、何に夢中になり、どんなことに違和感を覚えるのかを徒然に綴っていきたい。

勝手に論愚選
【日経俳壇2024.04.20】
[横澤 放川 選]
げんげ田に壊さぬやうに母を置く (尾張旭 古賀 勇里央)
(評)なんともやさしい心根の句だ。なんだか紫雲英田が無上の楽土かに思える。瑕(かし)ひとつない珠玉のような、福寿そのもののお母さん。
春泥やオモチャの如く戦車行く (稲沢 中山 精三)
蘆を焼く炎のはじき合ふ歓喜かな(山口 吉次 薫)
(評)火というものの豪快に鬩ぎあうさまを歓喜とまで活写した。
結納のあふるる仏間鳥雲に (12字縦)東久留米 夏目 あたる)
(評)婚姻といういのちの行事と生き変りしてのわれらの営為よ。
花筏溜に入れば抜けられず (長野 中沢 善尋)
寒村に老母独りの雛祭 (大府 小河 旬文)
誰よりも祖母がうれしいひなまつり (神戸 小柴 智子)

[神野 紗希 選]
一粒の砂を押し上げ蟻いづる (東京 野上 卓)
菊芋を揚げてさくさく朧月 (船橋 白石 勉)
木蓮の蕾はかたし妻恋し (南栃 高畠 良一)
春風に君のキッチンカー探す (小牧 大屋 裕)
燕来て彷徨うばかり能登の町 (横浜 葵生川 昭)
(評)燕も巣を作るべき軒を失い戸惑うか。
薔薇の芽やイニシャルだけの招待状 (京都 松尾 昌典)
春風に番号つけて口笛吹く (塩尻 神戸 千寛)