勝手に論愚選 【産経俳壇2024.03.28】【産経テーマ川柳】 | 論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

「小人閑居して不善を為す」日々大欠伸をしながら、暇を持て余している。どんな「不善」ができるのか、どんな「不善」を思いつくのか、少し楽しみでもある。

 アラコキ(アラウンド古稀)世代が、何に夢中になり、どんなことに違和感を覚えるのかを徒然に綴っていきたい。

勝手に論愚選
【産経俳壇2024.03.28】
[宮坂 静生 選]
蝌蚪(かと)の紐それが天国かもしれぬ (西宮市 辻 敏子)
(評)おたまじゃくしにかえる前の卵が数珠のように連なる。幸せな天国とみた。生存競争の荒波にもまれる前の水中の世界。お母さんのお腹の中の感じ。
眉間の皺伸ばす体操花の昼 (横浜市 近江 満里子)
茜さす富士測候所春告魚(にしん)食ふ (松戸市 松下 翔)
思ふより高みをとりて鳥帰る (立川市 堀江 孝晴)
椿東風神学校へゆく子発つ (東京・渋谷 山口 照男)
一生に三十億の鼓動春 (平塚市 日下 光代)
ぶくぶくと株価上昇しじみ汁 (芦屋市 井上 竜太)
木陰より見てゐる雉や父の葬 (島根・奥出雲町 重親 峡人)

[対馬 康子 選]
ガザに亀鳴くや涙を枯らしつつ (東京・世田谷 野上 卓)
(評)ガザ地区の戦闘で多くの子供たち犠牲になっており、胸が痛い。ガザに平和の春を待ちながら、本来は鳴かないはずの亀も涙が枯れるほど悲しんでいる。
片時雨異界の風の撫づる日よ (鹿児島市 矢麻方 理由市)
身の内の命の榾(ほだ)を裏返す (大阪・熊取町 神藤 文雄)
春雷の遠くにふわりミュージアム (東京・荒川 大島 章吾)
天上の藍の在処や実朝忌 (浦安市 岡 研一)
大空に掴まるもののなき落葉 (伊賀市 菅山 勇二)
部屋を訪ふバレンタインの老夫婦 (加須市 松永 喜芳)

【産経テーマ川柳】テーマ 嘘
千三つが嘘八百をあざ笑い (京都市 菅原 啓昭)
お似合いと言葉巧みに女店員 (国分寺市 玉井 仁子)
ウソでしょと体重計のせいにする (藤沢市 亀山 裕子)
彼の国で嘘を暴くは命懸け (川口市 松川 茂夫)
元気だよ明日手術と言い出せず (藤沢市 亀山 健)