勝手に論愚選 【朝日俳壇2024.02.25】 | 論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

「小人閑居して不善を為す」日々大欠伸をしながら、暇を持て余している。どんな「不善」ができるのか、どんな「不善」を思いつくのか、少し楽しみでもある。

 アラコキ(アラウンド古稀)世代が、何に夢中になり、どんなことに違和感を覚えるのかを徒然に綴っていきたい。

勝手に論愚選
【朝日俳壇2024.02.25】
[高山 れおな 選]
死の見えて本名明かす寒昴 (東京都目黒区 椿 泰文)
(評)「桐島聡容疑者」の一件。少々美しすぎる詠みぶりだが、作者が抱いた感慨は判る、
老残は隠さふべしや氷面鏡(ひもかがみ) (敦賀市 中井 一雄)
懐手して懐手されにけり (‘つくば市 小林 穂波)
凩や家路の子らが鬨(とき)の声 (白岡市 望月 充丈)

[小林 貴子 選]
狩の犬気負い隠さず先に立つ (西海市 前田 一草)
蝋八(ろうはつ)や菩提樹下の悟り椅子 (広島市 大林」實)
勿来(なこそ)浜鳥追い小屋の立つ昔 (小山市 泉 洋一郎)
大氷柱持ちて勇者になりにけり (岡谷市 宮澤 羅夢

[長谷川 櫂 選]
裏金の宝船こぐ五人衆 (さいたま市 関根 道豊)
田の神を揺り起こさんかと春一番 (萩原 豊彦)
これしきが生きた証か冴え返る (つくば市 小林 浦波)
松明は鬼の大きさ追儺(ついな)の夜 (筑後市 近藤 史紀)
春近しはちきれさうなオムライス (明石市 榧野 実)

[大串 章 選]
寒ゆるむ手を振る若きボランティア (川口市 知念 哲夫)
無住寺になりし一村雪降れり (西東京市 高橋 秀昭)
薄氷の水ごと風に揺れてをり (東かがわ市 桑島 正樹)
狭(かい)深き山村一寺山眠る (北茨城市 坂佐井 光弘)
梅一輪窓辺に残し退院す (東京都世田谷区 百瀬 俊夫)