勝手に論愚選 【産経俳壇2024.02.22】 | 論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

「小人閑居して不善を為す」日々大欠伸をしながら、暇を持て余している。どんな「不善」ができるのか、どんな「不善」を思いつくのか、少し楽しみでもある。

 アラコキ(アラウンド古稀)世代が、何に夢中になり、どんなことに違和感を覚えるのかを徒然に綴っていきたい。

勝手に論愚選
【産経俳壇2024.02.22】
[宮坂 静生 選]
鎌倉てふ大き墓域や虎落笛 (茅ヶ崎市 清水 呑舟)
(評)鎌倉は大寺の町。どの寺も墓地を抱え、木立や籬(まがき)に寒風が当たり笛の音を奏でるごとし。東国の大きな墓域鎌倉。寒の一日、鎌倉五山でも歩いた感慨か。
早や三日いつもの雨戸開けにけり (横浜市 津田 壽)
玄海の風よ吹け吹け玉せせり (高松市 島田 章平)
注連飾る最後の公家冷泉家 (加西市 木本 風心)
闇汁にヌッペラボウの茹で卵 (阪南市 山田 哲雄)
幸願ふびんずる廻し松の内 (伊賀市 福沢 義男)
研ぎ水に身欠鰊の色戻り (静岡市 小川 健冶)
風花の火の粉のごとし夕茜 (東京・世田谷 野上 卓)

[対馬 康子 選]
蒼天に月は冬至の弦を張る (立川市 堀江 孝晴)
(評)冬至は別名「一陽来復」と呼び、この日を境にだんだん日が長くなり陽の気が高まってくる。大空にある新月の弓が弦を張り、幸運の矢を放つかのようである
朽野(くだらの)やそれでも神はゐるとおもふ (西宮市 辻 敏子)
水涸るる鯉の背鰭も宙をきり (入間市 小関 裕子)
銅鐸に舌ありし日の茅花かな (枚方市 板野 信子)
自転車で教会へ行く冬菜畑 (平塚市 日下 光代)
こたつには焼き芋と姉寝ています (群馬・みなかみ町 笛木 洋子)
逞しき古木に香る梅の花 (東京・荒川 吉田 美智子)