勝手に論愚選 【産経俳壇2023.12.21】【産経テーマ川柳 | 論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

「小人閑居して不善を為す」日々大欠伸をしながら、暇を持て余している。どんな「不善」ができるのか、どんな「不善」を思いつくのか、少し楽しみでもある。

 アラコキ(アラウンド古稀)世代が、何に夢中になり、どんなことに違和感を覚えるのかを徒然に綴っていきたい。

勝手に論愚選
【産経俳壇2023.12.21】
熊穴に入りし姿は誰も見ず (志木市 谷村 康志)
(評)熊に襲われたニュースが頻繁だ。熊も満腹にならないと冬眠できないらしい。空腹だと眼をさましているという。誰も穴の中の子細は知らない。
屋根を見て過ごす毎日ラ・フランス (宇陀市 泉尾 武則)
歳晩のつかぬ始末をつけ仕舞ふ (立川市 堀江 孝晴)
山国の山より白し懸大根 (浜松市 宮田 久常)

[対馬 康子 選]
煌めけり鉄路の霜や朝の弥撤(みさ) (島根・奥出雲町 重親 峡人)
(評)イエス・キリストの死と復活を思い感謝の祭儀である弥撒(ミサ)の朝。夜が明け果てない鉄路に静かに降りた霜が、人々をあたたかく導く地の光のように煌めく。
吾に百の母の在せる小春かな (大阪・能勢町 国分 路子)
藪なかに紅こそ匂ふ寒椿 (白井市 矢野 善之)
いづくの地発ちて万波の冬鷗 (川崎市 黒澤 仁史)
昼の虫ほんのり町の匂ひけり (鹿児島市 矢麻方 理由市)

【産経テーマ川柳】テーマ 紙
お札とふ紙に人生あやつられ (高知・いの町 池 靖子)
絵手紙を出せば電話で返事くる (大阪・島本町 角田 弘子)
脱プラで脚光浴びる紙ストロー (大阪市 上林 功)
スケジュール手帳で確認私だけ (神戸市 野崎 初人)
かかり付け町医者今も紙カルテ (東大阪市 安井 秀美)
この一句葉書の無駄と思っても (相模原市 金庭 昇)